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2014年2月10日月曜日

書評『缶詰に愛をこめて』(小泉武夫、朝日新書、2013)ー 缶詰いっぱいに詰まった缶詰愛


発酵学の大家、というよりも食のエッセイストとして有名な小泉博士の最新刊。

カバー帯に「俺が愛した缶詰たち」とあるが、こちらをタイトルにしてもよかったのではないかと思う内容。「缶詰めいっぱいにつまった愛」、でもいいいかな。これまでも随所で缶詰めについて語っているが、本書は現時点での集大成といったものだ。

1943年生まれで福島の酒蔵に生まれた著者は、少年時代から現在に至るまで缶詰めを愛してやまなかったことが情感たっぷりに語られている。そして「俺が愛した缶詰たち」。

うれしいのはイワシやサンマなど安くてうまい庶民の味を、これでもかこれでもかと語っていること。基本は食いしん坊を意味するグルマンだが、美食を意味するグルメまで幅広いのが缶詰の世界。

本書には言及はないが、すでにパンの缶詰めすらあるくらいだから、世の中にあるもので缶詰めになってない者はないのではと思う。

本書はレシピ本でもある。

もちろんわたしも缶詰好きであり、さっそく小泉博士推奨の「コンビーフ丼」をつくってみた(写真下)。

材料はコンビーフ缶と卵とタマネギ。めんつゆ使用。そしてご飯。意外とコンビーフとしょう油は相性がいい。けっこう贅沢な丼になるので、みなさんもぜひお試しを。

(小泉博士レシピ コンビーフ丼)


「"俺"が愛する缶詰め」

せっかくの機会なので、この本には掲載されてない缶詰めを紹介しておこう。

「いなば チキンとタイカレー」である。いなばの「チキンとタイカレー」という缶詰がうまい。グリーンとレッドとイエローの3種類がある。販売店によって違いはあるだろうが、値段はだいたい140円前後。


缶詰に書かれた「本場のタイで製造」というキャッチコピーがまたタイ好きにとってはうれしい。

「いなば」という会社は知らなくても、このキャッチコピーで知名度は間違いなく上がることだろう。タイで製造したほうが日本で製造する安いのだが、そんなことはあえて語る必要はあるまい(笑)


わたしが推奨するレシピを紹介しよう。

ゆでた「そうめん」をお湯を切ってどんぶりに入れ、温めた「チキンとタイカレー」の缶詰をかけて食べる。いわば「にゅうめん」なのだが、このようにするとなんだか東南アジア風でエスニックな感じになってうまい。そうめん1わにつき、缶詰1つでいい。

ラオスやミャンマーにこういう麺料理があるのだが、違いは米の麺である点だ。そうめんは小麦の麺だが、米の麺は日本国内では入手しにくいので、それは目をつむっておこう。

わたし的にはグリーンカレーがイチオシですが、そうめんにかけて食べる場合は、レッドがいいでしょう。超簡単に東南アジアの味を楽しめるレシピでありますよ。


缶詰めで人生を語る

ということで、誰にも「俺の(わたしの)愛した缶詰」があるはずだ。誰もが、缶詰めについて語りたくなるもの。そう、缶詰は人生そのものである。

缶詰は奥が深い! そんな思いにさせてくれる一冊だ。




目 次 

まえがき
第1章 セピア色のわが缶詰遍歴
 ・歩く食糧事務所、イワシの缶詰に目覚める
 ・サンマの蒲焼きで、さらに缶詰にはまる
 ・阿武隈缶太郎、サンタ印のカレー缶を食らう
 ・サバの水煮缶、クジラの須の子缶で悟る
 ・味覚人飛行物体となり、ついに大人の缶詰と出会う
第2章 俺が愛した缶詰たち [魚介編]
 クジラの缶詰
 サバ缶
 イカの缶詰
 サケ缶
 サンマの缶詰
 イワシの缶詰
 アカ貝の缶詰
 ホッキ貝
 ツナ缶
 マグロとカツオのフレーク缶
 アン肝の缶詰
 オイルサーディンの缶詰
 カキのオイル漬けの缶詰
<コラム> 缶マークの読み方
第3章 眩しき缶詰たち
 タラバガニの缶詰
 ホタテの水煮缶
 ウニ缶
 アワビの水煮缶
 ハマグリの水煮缶
 フカヒレ缶
 カニみそ缶・エビみそ缶
 ウナギの蒲焼き缶
 松浦漬の缶詰
第4章 俺が愛した缶詰たち [野獣編]
 ヒグマ缶
 トド缶
 エゾシカ観
 虫缶(ハチノコ・イナゴ・ザザムシ)
第5章 俺が愛した缶詰たち [野菜・果物編]
 アスパラガス缶
 コーン缶
 きんぴらゴボウの缶詰
 ナメコ缶
 トリュフの缶詰
 ミカンの缶詰
 モモの缶詰
 パイナップルの缶詰
 サクランボ缶
第6章 わが思い出の缶詰たち
 タガメ缶
 スッポンの缶詰
 ドジョウの蒲焼き缶
 ガン漬の缶詰
 ムツゴロウの蒲焼き缶
 火腿の缶詰
 おでんの缶詰
 すき焼きの缶詰
 コンビーフ缶
 牛肉大和煮の缶詰
 日本酒の缶詰
 地獄の缶詰
第7章 俺が愛した缶詰たち [おやつ編]
 ドロップス缶
 水ようかんの缶詰
 あずきの缶詰
 みつ豆の缶詰
 コンデンスミルク缶
あとがきに代えて


著者プロフィール  

小泉武夫(こいずみ・たけお)
1943年福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学農学部醸造学科卒。発酵学者。文筆家。東京農業大学名誉教授。現在、鹿児島大学、琉球大学、広島大学などで客員教授を務める。学術調査を兼ねて辺境を旅し、世界中の珍味、奇食に挑戦してきた「食の冒険家」でもある。著書多数。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

『いなばのタイカレー缶レシピ』という本まででてくる。「缶詰め大好き人間」は日本にも多い。


 


 <ブログ内関連記事>

「生命と食」という切り口から、ルドルフ・シュタイナーについて考えてみる
・・映画 『大統領の料理人』でも主人公のシェフは徹底的に素材にこだわる

書評 『ニシンが築いた国オランダ-海の技術史を読む-』(田口一夫、成山堂書店、2002)-風土と技術の観点から「海洋国家オランダ」成立のメカニズムを探求
・・「スウェーデン北部には、ニシンの缶詰であるシュール・ストレンミングというものがあるらしい。生のニシンの缶詰にして密封し缶内で発酵させたものであるが、缶詰をあけるときは要注意だそうだ。強烈な臭気は、とても耐えられるしろものではないらしい。 この話は、発酵学者で食文化研究家の小泉武夫氏が、『発酵食品礼賛』(文春新書、1999)など、いろんなところで書いているので有名だが、さすがにわたしは食べたことも、匂いをかいだこともない。伊豆諸島の名物の干物くさやより、はるかに臭く、絶対に家のなかで開封してはいけないそうだ。もしそんなことしたら、たいへんなことになってしまうという・・・」

『檀流クッキング』(檀一雄、中公文庫、1975 単行本初版 1970 現在は文庫が改版で 2002) もまた明確な思想のある料理本だ

邱永漢のグルメ本は戦後日本の古典である-追悼・邱永漢

『聡明な女は料理がうまい』(桐島洋子、文春文庫、1990 単行本初版 1976) は、明確な思想をもった実用書だ

『こんな料理で男はまいる。』(大竹 まこと、角川書店、2001)は、「聡明な男は料理がうまい」の典型だ

むかし富士山八号目の山小屋で働いていた (2) 宿泊施設としての山小屋 & 登山客としての軍隊の関係
むかし富士山八号目の山小屋で働いていた (3) お客様からおカネをいただいて料理をつくっていた
・・「自衛隊員は先にも書いたが、自分たちのレーション(ration)を持参しているので基本的に山小屋に食事を頼むことはない。比較的大きな缶詰にはいった加工食品である。シールも何もはっていないので無味乾燥な缶詰だ」  陸上自衛隊の隊員たちからもらったレーションの缶詰を食べてみたが、どれもみな塩がきつくしょっぱかった。カレーなど種類はいろいろある


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