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2014年6月24日火曜日

書評『追跡・アメリカの思想家たち』(会田弘継、新潮選書、2008)ー アメリカの知られざる「政治思想家」たち



1980年代のレーガン大統領以降の「保守革命」が定着し、リベラリズムが退潮傾向になって久しいアメリカだが、アメリカにも「反近代」の立場に立脚する、ヨーロッパ型の「保守主義」が存在することがまず冒頭であきらかにされる。

本書は、その担い手であったラッセル・カークという在野の思想家に共鳴を示しつつ「保守主義」にフォーカスを合わせ、アメリカの政治思想を、保守からリベラルまで、人物とその思想のスケッチによって浮かび上がらせたものだ。だから正確なタイトルは、「アメリカの思想家」というよりも「アメリカの政治思想家」とすべきなのである。

月刊情報誌『フォーサイト』に連載されていたとき(2003年)にリアルタイムで読んでいたが、あらためて一冊になったものを、さらに出版から一定の時間をおいて読むことで、冷静にアメリカの政治思想を把握することが可能になった。冷却期間という時間は人をして冷静にさせる。

なによりもジョージ・ブッシュ政権時代前期のネオコン(=ネオ・コンサヴァティズム)の狂躁の日々が去ってから久しい現在、かれらがいったい何であったのかを冷静に捉えることができるのは意味があることだ。

すでに当時から、その本質は保守主義ではなく「リベラル左派」が「リベラル右派」に変身した、理想実現志向の社会変革思想であることは明らかになっていたが、本書ではその思想の根源がニューヨークのユダヤ人移民社会から生まれたものであることなど、思想が生まれる背景としての地域性も明らかにされている。経営用語でいえば「クラスター」というべきであろう。

このほか本書で取り上げられた「政治思想」には、キリスト教ファンダメンタリズム(=原理主義)や極限の自由を追求するリバタリアン、おなじく自由を希求しながらも大きな政府志向であるリベラリズムも、「思想地図」ともいうべき色分けが可能なほど、地域性が明確であることも明らかにされている。

それぞれ、キリスト教ファンダメンタリズム(=原理主義)は南部のいわゆる「バイブル・ベルト」リバタリアニズムはカリフォルニアリベラリズムは東部から西部にかけての北部地域に分布している。

特定の「思想」と「地域」を結びつけて考えることで、アメリカをより立体的に捉えることが可能となる。


(会田弘継氏作成の「地域別に見たアメリカの思想傾向」 P.222より)


著者自身、「アメリカに思想なんてあるのか?」という問いをなんどもされていると本書のなかで触れているが、たしかにアメリカにも「思想」は存在するのである。政治思想に限らず、経済思想や宗教思想などにも範囲を拡張すれば、明らかに思想は存在することがわかる。その担い手たちの知名度が世界レベルの高さがないとしても。

だが、本書では政治思想に関連する部分だけにしか言及されないのが残念なところだ。宗教思想でいえば原理主義もさることながら、「自己啓発」の思想である「ニューソート」(New Thought)への言及もまた必要だろう。

「思想」(thought)とは過去形で表現される「思考されたもの」であり、現在形で表現される「思考」(thinking)そのものとはイコールではないが、経営者の思想、エンジニアの思想、活動家の思想など、取り上げるべきものは多い。TED などでアイデアを披露している、「思想家と名乗っていない思想家」の思索や実践活動もまた、きわめてアメリカ的なものも少なくないことは指摘しておくべきだろう。

『フォーサイト』の連載にはなく単行本化にあたって加えられたのが、「エピローグ 戦後アメリカ思想史を貫いた漱石の「こころ」」である。人と人との「つながり」のなかで思想は生まれ、後代に継承されていくという経緯を物語としてつづったものだ。

著者が敬愛してやまないヨーロッパ型保守思想の大物ラッセル・カークというアメリカ人、経済学者でリバタリアン思想のフリードリッヒ・フォン・ハイエクというオーストリア人、『こころ』の英訳者エドウィン・マクレランといいうスコットランド出身の英国人、そして文芸評論家であった江藤淳という日本人。

漱石の『こゝろ』の英訳本がつないだ意外な「つながり」と「きずな」。これは思想のドラマの背後にあるものを鮮やかにみせてくれるものであった。著者によって初めて掘り起こされたこの「物語」は、静かな感動をもたらしてくれる。

ことし2014年は、漱石の『こゝろ』が出版されてからちょうど100年。明治大帝の崩御から2年後の2014年は第一次世界大戦が勃発した年でもあった。

アメリカの政治思想を語るには、ヨーロッパや日本もまた欠かすことのできない重要な要素なのである。古代ギリシアに始まるヨーロッパの政治思想を研究した、ネオコン思想家の日系人フランシス・フクヤマと徳富蘇峰との関係についての「追記」を読むと、さらにその感を強くする。



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目 次

プロローグ メコスタ村へ
第1章 戦後保守思想の源流-ラッセル・カーク(1918~94)
第2章 ネオコンの始祖-ノーマン・ポドレッツ(1930~)
第3章 キリスト教原理主義-J・グレシャム・メイチェン(1881~1937)
第4章 南部農本主義-リチャード・ウィーバー(1910~63)
第5章 ネオコンが利用した思想-レオ・シュトラウス(1899~1973)
第6章 ジャーナリズムの思想と機能-H.L.メンケン(1880~1956)
第7章 リベラリズム-ジョン・ロールズ(1921~2002)
第8章 リバタリアン-ロバート・ノジック(1938~2002)
第9章 共同体主義-ロバート・ニスベット(1913~96)
第10章 保守論壇の創設者-ウィリアム・バックリー(1925~2008)
第11章 「近代」への飽くなき執念-フランシス・フクヤマ(1952~)
追記 フランシス・フクヤマと徳富蘇峰
エピローグ 戦後アメリカ思想史を貫いた漱石の「こころ」
あとがき
参考・引用文献一覧
関連図表

著者プロフィール 
会田弘継(あいだ・ひろつぐ) 
1951年埼玉県生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業後、共同通信社に入社。ワシン著書に『戦争を始めるのは誰か』、訳書に『アメリカの終わり』(フランシス・フクヤマ著)などがある。 (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


PS 本書の増補改訂版が、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』として、中公文庫から出版れた。増補されたのは、「第13章 「トランプ現象」とラディカル・ポリティクス」である。(2016年8月14日 記す)


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<関連サイト>

蘇った米国のネオコン 混沌とした世界がブッシュ時代の保守派に息吹(JBPress、 2014年6月24日)
・・Financial Timesの翻訳記事。「ネオコン(新保守主義者)たちは何度も息を吹き返す。電流は一定の間隔でやって来る。シリアによる化学兵器の使用、ロシアによるクリミア併合、中国が海上で強めている攻撃的な姿勢、そしてイラクにおけるスンニ派の過激派の再来といったものだ」  「新」保守派が「リベラル右派」であることを念頭に読むべき


<ブログ内関連記事>

アメリカの思想家

自分のアタマで考え抜いて、自分のコトバで語るということ-『エリック・ホッファー自伝-構想された真実-』(中本義彦訳、作品社、2002)
・・わたしにとっては、 『追跡・アメリカの思想家たち』(に取り上げられたどの政治思想家よりも、ホッファーのほうがアメリカの哲学者・政治思想家としてはるかに重要だ

映画 『ハンナ・アーレント』(ドイツ他、2012年)を見て考えたこと-ひさびさに岩波ホールで映画を見た
・・アーレントもまたニューヨークの亡命ユダヤ系知識人の一人で政治思想家


アメリカのビジネス文明とキリスト教・ユダヤ教

書評 『アメリカ精神の源-「神のもとにあるこの国」-』(ハロラン芙美子、中公新書、1998)-アメリカ人の精神の内部を探求したフィールドワークの記録
・・アメリカの一般人の深層にあるものを押さえておかないと、表層の思想を追っても意味はない

「宗教と経済の関係」についての入門書でもある 『金融恐慌とユダヤ・キリスト教』(島田裕巳、文春新書、2009) を読む
・・ユダヤ教、キリスト教と資本主義ビジネスの関係について、ユダヤ教とキリスト教を区分して考えるべきことを私が解説。「ユダヤ・キリスト教」という表現は、誤解を生みやすい。


オカルトと宗教テロリズム

書評 『現代オカルトの根源-霊性進化論の光と闇-』(大田俊寛、ちくま新書、2013)-宗教と科学とのあいだの亀裂を埋めつづけてきた「妄想の系譜」
・・アメリカを中心とした英語圏に特有のオカルト思想について

スティーブ・ジョブズの「読書リスト」-ジョブズの「引き出し」の中身をのぞいてみよう!
・・いわゆる「ニューエイジ」宗教の影響の濃厚なジョブズとカリフォルニア

『エコ・テロリズム-過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ-』(浜野喬士、洋泉社新書y、2009)を手がかりに「シー・シェパード」について考えてみる
限りなく宗教的といってもいい英語圏に特有の環境運動の根底にある思想



「ビジネス文明」国アメリカの「思想」

書評 『超・格差社会アメリカの真実』(小林由美、文春文庫、2009)-アメリカの本質を知りたいという人には、私はこの一冊をイチオシとして推薦したい

The Greatest Salesman In the World (『地上最強の商人』) -英語の原書をさがしてよむとアタマを使った節約になる!


「変革思想」としての右・左

書評 『近代日本の右翼思想』(片山杜秀、講談社選書メチエ、2007)-「変革思想」としての「右翼思想」の変容とその終焉のストーリー
・・右も左も変革思想であることは本質的に共通

「ユートピア」は挫折する運命にある-「未来」に魅力なく、「過去」も美化できない時代を生きるということ
・・右であれ左であれ、政治上の「社会変革思想」は確率的にその大多数が挫折する運命にある。ビジネスによる「社会変革」も成功したのはほんとうに一握りにすぎない


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2013年12月24日火曜日

書評『バチカン近現代史 ー ローマ教皇たちの「近代」との格闘』(松本佐保、中公新書、2013)ー「近代」がすでに終わっている現在、あらためてバチカン生き残りの意味を考える



『バチカン近現代史-ローマ教皇たちの「近代」との格闘』は、フランス革命以降の「政教分離」を推進する「近代国家」の登場で、領土や権威を失い弱体化していったバチカンが、いかにみずからの生き残りをかけて生き抜いてきたかを描いた近現代史である

本書の圧巻は、なんといっても「反近代」の立場を貫いたバチカンが、環境変化にあわせてみずからを「近代化」させつつ、不倶戴天の敵であった「共産主義」という「悪魔」を、武力というハードパワーではなくソフトパワーによって打倒した外交史であり、国際政治史を描いた第Ⅴ章以降にある。

近現代の国際政治のメインプレーヤーが英米を中心とするアングロサクソンであったことは言うまでもないが、これをバイプレイヤーであったバチカンの側から描いてみせたのが本書の最大の特色であろう。

プロテスタント国である米国も英国も「反バチカン」では一貫してきたが、この姿勢に転換が生まれたのが第二次大戦後の冷戦構造の成立であった。

米国にとっては正式な外交関係はなかったものの、実質的な「反共」のパートナーとしてのバチカンの存在は大きかったのだ。カトリック地帯であるポーランドをはじめ、カトリック国であるハンガリーやチェコが共産主義国家ソ連の影響下である共産圏に入ってからは、バチカンのもつネットワークが米国にとっては大きな意味をもったからだ。

無神論を標榜する共産主義はまさに「近代」の産物そのものであり、政教分離を強力に推進したフランス革命以降の「近代」は、バチカンにとっては領土と影響力を失っていった苦難の時代であった。「近代」の推進者であったプロテスタント国の英国や米国とは真逆の状態にあったわけだ。

イタリアの独裁者ムッソリーニとのあいだで締結された「ラテラノ条約」(1929年)がバチカンにとっては反転攻勢のキッカケとなる。世界最小の主権国家・バチカン市国として再出発することになったが、無神論の共産主義との対決姿勢からナチスドイツともかかわりをもち、第二次大戦後は米国に接近することとなった。このプロセスをつうじて国際政治におけるプレイヤーとしての存在感を増し、威信と影響力を回復していく。

「変わらないためには変わらなくてはならない」というのは、ヴィスコンティ監督の『山猫』のなかの有名なセリフだが、バチカンもまた近代世界という環境に適応するために大胆な自己変革を断行する。いわゆる「第二バチカン公会議」(1962~1965年)である。ここには詳述しないが、「第二バチカン公会議」以前と以後の違いは著しい。

冷戦崩壊からすでに20年以上の月日がたち、世界に残る共産党政権が中国や北朝鮮、ベトナムやキューバしか存在しなくなった現在、共産主義との戦いといってもリアリティを欠いているように聞こえるかもしれない。

だが、まさにその共産主義との戦いを同時代人としてリアルタイムで経験してきたわたしのような世代の人間にはじつに感慨深い。この時代を知らない若い世代にはぜひ熟読してしていただきたいと思う。中国共産党が存在し信仰の自由を抑圧する体制がつづく限り、バチカンの戦いが完全に終わったとは言えないからだ。

米国とのパートナーシップのもと共産主義との戦いに勝利し、冷戦構造が崩壊したあとは、ナチスドイツとの関係など過去の歴史が逆風が吹くことにもなった。さらに現在は、聖職者による少年の性的虐待やバチカン銀行によるマネーロンダリングなどさまざまな問題が噴出する渦中にあり対応に苦慮しているが、ラテラノ条約(1929年)以前のことを考えれば乗り切れない問題ではなかろう。

ことしは600年ぶりのローマ教皇退位とバチカンがふたたび大きな注目を浴びたが、清貧を説いたアッシジのフランチェスコから名前をとったあたらしい教皇フランシスコ一世はバチカン改革をすすめることであろう。

これまでバチカンが生き残ることができたカギが「反近代」にあった。「近代」においてはすでに「普遍」ではなく、「アンチ」としての存在感のほうがアイデンティティとしては大きかったバチカンであるが、ようやく「アンチ」ではなく、ポジティブな価値観で人類社会に貢献できるようになったいえようか。

それは、近代世界のなかで確立してきた普遍的原理である「人権」を前面に打ち出し、擁護推進する主体としてである。この意味では、現在のバチカンは単純な「反近代」とはいえないだろう。「近代」を経験し、みずからを「近代化」しつつ「近代」を超えるという課題にチャレンジしているように思われる。

「近代」がすでに終わっているいまだからからこそ、バチカンに目を向ける意味もある。なんといっても世界最古の組織がバチカンである。自己刷新なくして組織は生き延びることができないことの典型的な事例といっていいだろう。

バチカンの秘密文書館にもアクセスし、信者ではないもののカトリック教育を10年間受けてきた著者によるこの新書本は、歴史のなかの存在よりも、リアルタイムでプレイヤーとして活動しているバチカンを理解するために、日本人として読んでおきたい一冊である。


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目 次

はじめに
序章 前近代のバチカン-起源から一七世紀まで
第1章 フランス革命の衝撃-超保守主義の台頭
第2章 ピウス9世の近代化政策と "豹変"-イタリア王国統一への抵抗
第3章 イタリア政治への介入-第一次世界大戦下の多角外交
第4章 ムッソリーニ、ヒトラーへの傾斜-バチカン市国成立と第二次世界大戦
第5章 ピウス12世の反共産主義-冷戦下、米国への接近
第6章 第二バチカン公会議-他宗教との和解と対共産主義・無神論
第7章 独自の対共産圏外交の追求-パウロ6世の意図
第8章 ポーランド人教皇の挑戦-ベルリンの壁崩壊までの道程
第9章 グローバル時代の教皇-宗教・民族紛争への介入
終章 バチカンと国際政治
【コラム】 コンクラーベ-教皇選出
      マリア信仰Ⅰ-信仰承認とピウス9世
      満洲国承認
      バチカンの統治システム
      マリア信仰Ⅱ-ファティマの奇跡とその後
あとがき
参考文献
バチカン近現代史関連年表

著者プロフィール

松本佐保(まつもと・さほ)
1965年神戸市生まれ。88年聖心女子大学文学部歴史社会学科卒業。90年慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。97年英国ウォーリック大学社会史研究所博士課程修了。Ph.D.取得。その間イタリア政府給費留学生としてローマのリソルジメント研究所に研究員として滞在。現在、名古屋市立大学人文社会学部教授。専攻は国際関係史(イギリス、イタリア、バチカン政治・外交・文化史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


PS 『ローマ法王の権力と闘い』(小坂井澄、講談社+α新書)は、2002年の出版ではあるが、『バチカン近現代史』では取り上げられていないバチカンの組織内の問題を扱っているので、機会があれば参照するとよいだろう。英語なら文献は多いが、日本語だと意外に公平な記述によるまともな本が少ないのがバチカン関連本の世界




PS アメリカの TIME誌恒例の "Person of the Year" は、ことし2013年度は教皇フランシスコ1世(Pope Francis)に決まった。バチカンにあって清貧を実践するイエズス会出身の新教皇への期待といってよいだろう。




<ブログ内関連記事>

バチカン関係

書評 『バチカン株式会社-金融市場を動かす神の汚れた手-』(ジャンルイージ・ヌッツィ、竹下・ルッジェリ アンナ監訳、花本知子/鈴木真由美訳、柏書房、2010)
・・バチカン銀行によるイタリアの政局を巻き込んだマネロン疑惑

書評 『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』(高瀬毅、文春文庫、2013 単行本初版 2009)-"最初の被爆地" 広島と "最後の被爆地" 長崎の背後にあった違いとは?
・・冷戦時代における反共政策をとるバチカンとアメリカとの関係

書評 『聖母マリア崇拝の謎-「見えない宗教」の人類学-』(山形孝夫、河出ブックス、2010)-宗教人類学の立場からキリスト教が抱える大きな謎の一つに迫る 

600年ぶりのローマ法王退位と巨大組織の後継者選びについて-21世紀の「神の代理人」は激務である

アッシジのフランチェスコ 総目次 (1)~(5)
・・教皇フランシスコ一世は清貧を説いたアッシジのフランチェスコから名前をとった

「免罪符」は、ほんとうは「免罪符」じゃない!?

「ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ-書物がひらくルネサンス-」(印刷博物館)に行ってきた(2015年7月1日)-15世紀に設立された世界最古の図書館の蔵書を実物展示


「近代」とは? 「近代」の問題とは?

書評 『近代の呪い』(渡辺京二、平凡社新書、2013)-「近代」をそれがもたらしたコスト(代償)とベネフィット(便益)の両面から考える
・・フランス革命とナポレオン戦争の意味

書評 『オウム真理教の精神史-ロマン主義・全体主義・原理主義-』(大田俊寛、春秋社、2011)-「近代の闇」は20世紀末の日本でオウム真理教というカルト集団に流れ込んだ


「500年単位」で歴史を考える-『クアトロ・ラガッツィ』(若桑みどり)を読む

「マリーアントワネットと東洋の貴婦人-キリスト教文化をつうじた東西の出会い-」(東洋文庫ミュージアム)にいってきた-カトリック殉教劇における細川ガラシャ
・・ハプスブルク家に生まれてフランス王室に嫁ぐまでウィーンで過ごしたマリー・アントワネット

『ベルギービール大全』(三輪一記 / 石黒謙吾、アートン、2006) を眺めて知る、ベルギービールの多様で豊穣な世界
・・「かつては修道院醸造所(monastery brewhouse)はフランスにもあったらしいが、フランス革命においてカトリック教会が大打撃を受け、修道院の多くが破壊され、財産が没収された結果、途絶えてしまったらしい」

書評 『神父と頭蓋骨-北京原人を発見した「異端者」と進化論の発展-』(アミール・アクゼル、林 大訳、早川書房、2010)-科学と信仰の両立をを生涯かけて追求した、科学者でかつイエズス会士の生涯
・・フランス人司祭でイエズス会士のピエール・テイヤール・ド・シャルダンは「近代主義」である「進化論」の主張により「異端」とされ、その著作は「禁書」扱いとなった


反共産主義

『ソビエト帝国の崩壊』の登場から30年、1991年のソ連崩壊から20年目の本日、この場を借りて今年逝去された小室直樹氏の死をあらためて悼む

書評 『東京裁判 フランス人判事の無罪論』(大岡優一郎、文春新書、2012)-パル判事の陰に隠れて忘れられていたアンリ・ベルナール判事とカトリック自然法を背景にした大陸法と英米法との闘い
・・英米とは異なり、バチカンが「反共」の立場から満洲国を承認した数少ない主権国家のひとつであったことはアタマのなかにいれておいたほうがいい

書評 『ろくでなしのロシア-プーチンとロシア正教-』(中村逸郎、講談社、2013)-「聖なるロシア」と「ろくでなしのロシア」は表裏一体の存在である
・・ソ連崩壊による共産主義敗北後のロシアでいま進行していることは全体主義か?


継承と承継

「世襲」という 「事業承継」 はけっして容易ではない-それは「権力」をめぐる「覚悟」と「納得」と「信頼」の問題だ!
・・血縁原理を重視する儒教圏、輪廻転生を重視するチベットと異なり、コンクラーベという秘密投票による選挙で後継者を決めるバチカン

(2015年7月7日 情報追加)


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