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2026年1月3日土曜日

初詣で超高速の「時間旅行」(2026年1月3日)― 令和の現在から江戸時代、そして平安時代を経て縄文時代まで

 (雪の残る高根神明社)


昨夜(2026年1月2日)の雪が積もって路面凍結状態。この状態では遠出はしたくないな。ということで、今年も初詣は近所の「高根神明社」に。

初詣はどこでも祈っても問題はない。どの神社だろうが仏閣だろうが、究極的には一つの絶対者につながっているから。アドヴァイタ(不二一元論)である。

けさの神明社は、祭礼以外はいつでもそうだが、参拝客はほとんどいないので、静かなのがいい。人混みは嫌いだ。


(神明社の本殿)


現在では宅地開発されているが、江戸時代は幕府の直轄領だった土地。旗本たちによって分有されていた土地で、年貢の取り立ては代官が庄屋から行っていた。

その昔の平安時代には、伊勢神宮に寄進された御厨(みくりや)であった。荘園の境界領域に設置されたのが神明社。現在の社殿はあたらしいが、歴史は古そうだ。

現代にまでつづく江戸時代の庶民信仰を反映しているのだろう、境内には「富士塚」があり、その周りには「出羽三山」(=月山/湯殿山/羽黒山)参拝を記念する石碑や、「庚申講」の石碑が並んでいる。明治維新以前の神仏習合のなごりだな。


(出羽三山参拝記念碑)


神明社前の坂を下っていくと「馬頭観音」の石碑がある。馬頭観音は馬頭観世音の略称。馬頭の形をした観音様。幕府直轄の「牧」の近くだけに、この地域は馬とのかかわりが深い。近くには乗馬センターもある。


(馬頭観音の石碑群)


さらに、そのはるか昔、大陸から馬が導入されるはるか以前、それは稲作以前の狩猟採集時代のことであるが、船橋市初の国指定史跡となった「取掛西貝塚」がある。


(取掛西貝塚)


「縄文海進時代」には水位が高かったので、縄文遺跡はすべて高台の上にある。船橋市は高低差の大きな土地であり、いわば水のないリアス海岸のようなのだ。


(取掛西貝塚から崖下を眺める)

 
しかも、縄文遺跡はし太陽が昇る方向を向いている。太陽信仰が発生してくるわけだ。船橋大神宮の通称で知られる意富比神社は、太陽神であるアマテラスを祀る伊勢神宮の系列であるが、もともとは地場の太陽信仰を核にした神社であったらしい。


(取掛西貝塚に向かって坂を登る)


というわけで、初詣を兼ねて超高速の時間旅行を楽しんだ次第。

名所旧跡などない皆無の地域だが、深掘りすればなかなか面白い。歴史の重層性を感じるには、どんな土地であっても近場を散歩するだけで十分だ。遠出する必要などないのである。
 

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2020年12月11日金曜日

かの有名な「加曽利貝塚」(千葉市若葉区桜木町)に初めて行ってきた(2020年12月11日)-貝塚として初めての「特別史跡」のは保存活動の長い歴史があった

 
かの有名な「加曽利貝塚」に初めて行ってきた(2020年12月11日)。

「加曽利貝塚」は、千葉県民ならもちろん、関東在住者なら一度は耳にしたことがあるのではないかと思う。加曽利といえば貝塚という連想ができあがっているはずだ。それほど有名な貝塚であり、縄文時代後期の縄文遺跡なのである。

そもそも「加曽利」という名称が珍しい。「加曽利」は当て字であろう。「かそり」というのがもともとどういう意味だか知らないが、他では聞いた事がない地名である。

千葉市若葉区に加曽利町という地名がある。たまたまその近くに用事があったので、ついでに加曽利貝塚までいってみた。

「加曽利って、もしかしてかの有名な加曽利貝塚の?」と自分のなかで自問自答してスマホで検索したら、やはりあの加曽利であった。そんな機会でもなければ、千葉市の住民ではないので行く機会はなかなかないだろう。

(貝塚のある縄文集落の全体像)

加曽利貝塚は、2017年に国の「特別史跡」に指定されている。貝塚としては初めてのことであるという。加曽利貝塚が最初に発見されたのは1907年のことであり、すでに100年以上も前のことになる。

加曽利貝塚は現在では整備された公園になっている。小高い丘の上にあるのは、その他の縄文遺跡とおなじだが、それはかつて「縄文海進」という状況があって、貝塚のある縄文集落の近くまで海が迫っていたからだ。

最終氷期の最寒冷期後(約19,000年前)から始まった海水面の上昇のため、縄文時代には海が陸地を浸食していたからである。現在の千葉湾は貝塚からだいぶ離れているが、それはかつて海だった場所が土砂の堆積によって陸地となっているためである。

(公園内の右奥に「復元集落」を望む)

残念なことに、現在は公園が改修工事中(・・2021年3月末まで)で公園内に入ることができなかった。時間がたっぷりあったわけでもないので、遠目で「復元集落」を見るにとどめた。「北貝塚」には、「竪穴住居跡群観察施設」と「貝層断面観覧施設」もあることはあとから知った。まあ、ここ以外でも多数見てきたのでよしとしよう。

(博物館の入り口)

公園内には、「千葉市立加曽利貝塚博物館」がある。入場無料である。この博物館の展示内容をざっと見て回った。縄文土器が中心だが、なかには「加曽利式」と命名されたタイプもある。このほか、土製品・土偶、貝製品・骨角歯牙製品、石器・石器製品、食料資源などのハ発掘物が展示されている。

(「加曽利式」を含む縄文土器)

加曽利貝塚について知っておくべきなのは、保存のための住民運動の長い歴史である。第2次大戦後の高度成長時代、あわや宅地開発されて破壊されてしまうという瀬戸際にあったのだ。高校教出会った一人の郷土史家が先頭に立って始まったこの運動についても、展示資料で知ることができる。

(石棒や土偶)

いまでこそ、サステイナブルがキーワードになるなど乱開発の時代は終わっているが、開発か保存かという問題は、とくに地価の高い都心部や市街地では、現在でも関係者が大いに苦慮する状況にある。その点、加曽利貝塚は、都心部からはずれているので保存に成功したとは言えるだろう。もちろん、保存活動に携わった方々の熱意には頭を下げなくてはならない。

日本列島の先住民が縄文人であったこともあり、日本列島のどこでも縄文遺跡があるのだが、有名な「大森貝塚」をはじめ、貝塚はとりわけ東京湾周辺に集中しているようだ。個人的には、船橋市海神にある「船橋市飛ノ台史跡公園博物館」のほうがコンパクトにまとまった縄文遺跡と博物館のセットとして好ましく感じているが、規模的には加曽利貝塚は、はるかに大きな集落が保存されている点は特筆すべき点だ。

機会があれば、一度は訪れる価値はあるといえよう。加曽利といえば、貝塚なのだから。だが、加曽利貝塚は千葉市若葉区加曽利町にはない。行政区域としては千葉市若葉区桜木町にある。そこらへんの事情については、どうなっているのだろうか?




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2018年8月18日土曜日

特別展「縄文-1万年の美の鼓動」(東京国立博物館・平成館)を見にいってきた(2018年8月17日)-これだけまとめて一級品の「縄文」を見る機会もなかなかない



特別展「縄文-1万年の美の鼓動」(東京国立博物館・平成館)を見にいってきた(2018年8月17日)。これだけまとめて一級品の「縄文」を見る機会もなかなかないと思う。

「縄文」は、北海道から沖縄に至るまで日本の「基層文化」だから、日本中いたるところで縄文遺跡が発掘され、自治体ごとに縄文遺跡から発掘された土器や土偶、矢尻など生活用具に至るまで展示されている。とはいえ、国宝6点をふくめて「これぞ縄文!」という逸品が一カ所に集められた展示会だから、いく価値があるのだ。「博物館」での展示だが、「美術展」ととらえても問題ない。



8月17日(金)に、開場とともに「縄文展」へ行ったのは、夏休みということもあり、そうとう混んでいるのではないかと恐れていたからだ。朝イチならすいてるだろうと思ったが、同じように考えている人が多いようで、会場に入るところまではスムーズにいったが、なかに入ったらやはり混雑していた。

観客はほとんど日本人のようだ。日本が世界に誇る JOMON だからね、当然といえば当然だろう。少子高齢化で人口が減少しようが、GDPが中国に追い抜かれようが、濃度の濃さに違いはあろうとも、日本人が1万年も昔に花開いた「縄文」に生きた「縄文人」の末裔であるということは、日本人のアイデンティティと誇りの再確認になるからだろう。

「縄文」というのは、土器に縄目模様があるからそ名付けられたのだが、抽象度の高い人物表現や動物表現には、かなり高度な知性が反映していると考えるべきだ。文字をもたなかった縄文人だが、写実そのものではなく抽象度の高い表現をあえて行っている点は、どの縄文土器や土偶をみて感心させられる。


(展示の最後のこのコーナーは撮影可能 筆者撮影)

興味深いのは、土器や土偶ではないが、石棒(せきぼう)が展示されていたことだ。石棒とは、男性性器をかたどった信仰の対象のこと。土器ではなく石を削ってつくられているのでそう呼ばれている。大地に対して垂直に立てられた石棒が、会場ではかなり異彩を放っていた。インドやネパールならリンガムである。男根崇拝は豊穣儀礼。 

縄文土器には、一般に女性をかたどったものが多い。子どもがいままさに生まれようとしている姿を描いた縄文土器も展示されていたように、豊穣のシンボルとしては女性が圧倒的に多い「縄文」だが、石棒のような男性機能をシンボライズしたものも存在しているのは興味深い。対(つい)になると考えるべきか。

たまには1万年前のことを考えてみるのも意味あることである。



◆主催: 東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社 
◆協賛: 凸版印刷 協力: 文化庁、国際交流基金、大塚オーミ陶業、大塚国際美術館、 日本児童教育振興財団◆公式サイト http://jomon-kodo.jp/







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「縄文多空間 船橋市飛ノ台史跡公園博物館」(船橋市海神)にはじめていってみた(2016年5月21日)-海辺の小高い丘に居住していた縄文人たちの痕跡。7000年前の「縄文早期」に思いをめぐらす


書評 『日本人は爆発しなければならない-復刻増補 日本列島文化論-』(対話 岡本太郎・泉 靖一、ミュゼ、2000)


「かなまら祭」にいってきた(2010年4月4日)-これまた JAPANs(複数形の日本)の一つである


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