『人類が絶滅する6のシナリオ』(フレッド・グテル、河出文庫、2017)という本を読んでいる。
移動中の暇つぶしに読み始めたのだが、内容の面白さ(というよりも怖さ?)と訳文が読みやすいので、思わず読み込んでしまう。
あえて「最悪の事態」という「悲観シナリオ」を呈示することで注意喚起するのが目的だと、サイエンスライターの著者は書いている。
まだ途中まで読んだだけだが、「第1章 世界を滅ぼすスーパーウイルス」が読ませる内容だ。つまり、人類絶滅シナリオの第1位は「スーパーウイルス」なのだ。しかも、この本で取り上げているのは「鳥インフルエンザ」で、発生源は中国が想定されている。人間と家畜がともに暮らす、中国の畜産業がおかれた不衛生な環境描写がじつに巧みで、目に浮かぶような書き方なのだ。
そして第2章は「 繰り返される大量絶滅」。以下、「第3章 突然起こり得る気候変動」「第4章 生態系の危うい均衡」「第5章 迫りくるバイオテロリズム」「第6章 暴走するコンピュータ」と続く。
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と、ここまで読みかけの段階で書いてFBに投稿してみたところ、けっこう反応があった。2020年2月14日のことだ。その頃はまだ、新型コロナウイルスはWHOから「パンデミック」宣言はされてなかったが、実質的にパンデミックとなりかけていた頃だ。
ようやく時間的余裕ができたので、約1ヶ月後に第3章以下を読んでみた。通読して思うのは、結局「スーパーウイルス」と「コンピュータウイルス」という2種類のウイルスが最大の脅威となりつつあるという現状なのだな、と。ともに自然界に存在しているウイルスそのものではない。人間の手が加わることで毒性と破壊力が増したウイルスなのである。人間は、みずから作り出したもので滅び行くのか・・・。
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現在、パンデミックと認定された新型コロナウイルスは、すでに専門家によって「COVID19」とWHOに命名された。だが、これでは専門的過ぎる。発生源となった中国湖南省武漢市にまつわる「武漢ウイルス」といったほうがわかりやすい。いや、そう言い続けるべきだろう。感染症対策に政治がからむことで、問題が複雑化しつつある。人間のエゴが感染症の問題解決を違う方向に誘導しようとするのだ。
とはいえ、本当に怖いのは、おそらく中国南部で発生が想定される「鳥インフルエンザ」の方だ。飛沫感染だけでなく空気感染するからだ。
専門家は新型コロナウイルス対策として「正しく怖がれ」というが、「鳥インフルエンザ」が発生した場合どうなるのか?
連続的な発生も恐ろしいが、同時多発的に発生したら? さらに、台風や洪水、大地震や津波などの自然災害、それに加えてテロやコンピュータの暴走などが同時に起こったら???
まさに神のみぞ知る、としかいいいようがない・・・。
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