満願成就である。酒を飲まない日が連続100日となった。「三日三月三年」である。100日は3ヶ月。100は、10の2乗である。
今年(2021年)の正月、元旦の1月1日に飲んで以降、1月2日から100日連続で飲酒していない。とくになにか願掛けをしているわけではないが、生活習慣から飲酒が消えて100日。とくに不自由を感じることはない。
こんなに飲まないのは高校3年生以来だな。つまり40年ぶりということになる。
思い起こしてみると、家飲みするようになったのは、いまから約20年前の39歳のときだ。勤務している会社が業績不振でクビになったからだ。それ以来、休業補償で半年ほど在宅していたので、執筆作業を行いながら、ほぼ毎日が家飲みしていた。家飲みという「生活習慣」ができあがってしまったのだ。
あえて「休肝日」を意識するということは、その日以外はほぼ毎日飲んでいることを意味する。執筆作業にあたっていた専門書は、結局日の目を見ることがなかったが、家飲み習慣だけが生き残ってしまった。
日本では「未成年はアルコール禁止」となっているが、「高校卒業、あるいは大学入学とともに解禁」というのが実態だろう。つまり早ければ18歳から飲酒ということになる。
自分の場合は、高校時代も父親の晩酌のお相伴をしたりしていたので、舐める程度は飲んでいたが、本格的に飲むようになったのは大学入学後だ。
だが、大学在学中はせいぜい1週間に1回程度だったのではないか。飲むのはコンパのときだけだ。家飲みなどしていない。
大学卒業後に社会人になってからも、家飲みはしていない。父親から「晩酌なんかするもんじゃない」とよく言われていたことも、アタマの片隅にあったようだ。
そもそも仕事が忙しくて帰宅時間が遅いので、飲んでいるヒマなどなかったということもある。
■世界の主要宗教では飲酒は基本的に抑制が求められる
27歳から米国に留学していた2年間は、メキシコの「コロナビール」をスーパーで半ダース単位で買って冷蔵庫で冷やして飲んでいたが、それほど飲んでいたわけではない。
米国はキリスト教の関係で、アルコールには厳しいのである。ニューヨーク州では、日曜日の酒類販売は禁止されていた。悪名高い「禁酒法」施行されていたのは1920年代の米国だ。
イスラム教では、アルコール全般が禁止されていることは、比較的よく知られていることだろう。実際には、飲酒は個人裁量にまかされているので、ムスリムでも飲んでいる人間は少なからずいる。イスラム教では、禁止事項の遵守も、あくまでも個人と神の関係の問題なのである。
仏教でも、ほんとうはアルコールがダメなことは意外と知られていないかもしれない。仏教には「不飲酒戒」というものがある。「ふ・おんじゅ・かい」と読む。
基本的に出家者が守るべき戒の1つだが、在家者もまた基本的に飲むべきではないとされている。これは、タイでは酒類販売禁止時間帯があること、投票日は酒類販売禁止となっていることで知った。
■「不飲酒」は「断食」状態と似ている
さて、自分の話に戻るが、べつに「禁酒」しているわけではない。飲まないうちに、あまり飲みたいという気持ちすら、なくなってしまったのだ。
家にはボトルが大量においたままになっているが、酒のボトルを見ても飲みたい気持ちが失せてしまった。不思議なものだ。断食の際とおなじ状態だ。断食が佳境に入ってくると、いい匂いをかいでも食べたいという気持ちが湧いてこなくなる。
もちろん、外飲みする機会はあるだろう。そのときには飲むこともあるだろう。
「痛風」がキッカケとなった「不飲酒」だが、酒をやめたわけではない。酒を敵視するわけでもない。10日の2乗である100日は達成したが、10日の3乗である1000日を目指すつもりなど毛頭ない。
酒は一人で飲むよりも、会話の潤滑剤として複数で飲むのがいいようだ。
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