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2015年4月19日日曜日

書評 『「昭和天皇実録」の謎を解く』(半藤一利・保阪正康・御厨貴・磯田道史、文春新書、2015)―「正史」として歴史的に確定した「知られざる昭和天皇像」



昭和天皇が崩御された昭和63年(1988年)から約四半世紀。宮内庁において編纂作業がつづいていた『昭和天皇実録』が完成し、天皇皇后両陛下に奉呈されたのは昨年(2014年)8月のことである。

『「昭和天皇実録」の謎を解く』(半藤一利・保阪正康・御厨貴・磯田道史、文春新書、2015)は、この膨大な『昭和天皇実録』のエッセンスをトピック的に抽出し、このテーマの識者が座談会形式でコメントをつけたものである。

ことし3月から、東京書籍から「公刊本」全19巻の市販が開始されたが、部分的に参照することはあったとしても、『昭和天皇実録』がを通読することはまずないだろうと思うので、この分野に精通した人たちの読みを信頼してお任せすることにすることにした。わたしごときが読んでも、発見できないことが多々あろうから。

昭和天皇のご生涯は、近代天皇制のもとにおいて確立した「一世一元」の制にもとづいて、大東亜戦争の敗戦と無条件降伏をはさんだ昭和史そのものであることはいうまでもないが、ご幼少のみぎりから即位されるまでの昭和前史もまた顧みられることになる。

大日本帝国憲法下においての「国家元首で大元帥、かつ現人神(あらひとがみ)」としての存在から、敗戦後の日本国憲法下での「象徴」へと大きく変化した天皇のステイタス。福澤諭吉の有名なフレーズ「一身にして二生を経る」をまさに体験されたわけであった。

取り上げられたテーマは多岐にわたるが、わたしがとくに興味深く感じたのは以下のようなものである。  

●「治安維持法」には懸念を抱いておられたこと
●大元帥としての存在と立憲君主としての存在の二重性とねじれを陸海軍に利用されてしまったこと
●第一次大戦で戦場となった欧州の悲惨な状況を直接目撃した経験をもっていた数少ない日本人であること
●臣下から上奏される情報を信用しておらず、第二次世界大戦時の最新情報は米国の短波放送から得ていたこと
●みずからを現人神(あらひとがみ)とは考えてはいなかったが、神の末裔としての意識は強く持っていたこと

昭和天皇については、近代天皇制の歴史において明治天皇とならんで「大帝」と呼ぶべき存在のお方であり、これまでにも膨大な量の歴史書や研究書が書かれてきた。だが、研究者でも、それらすべてに目を通すことは不可能だろう。ましてや一般読者であればなおさらである。

その意味でも、このような形でのダイジェスト版の出版はありがたい。ぜひ一読することをお奨めしたい。


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目 次
はじめに (半藤一利)
第1章 初めて明かされる幼年期の素顔(明治34年~大正元年)
第2章 青年期の栄光と挫折(大正10年~昭和16年)
第3章 昭和天皇の三つの「顔」(昭和6年~昭和11年)
第4章 世界からの孤立を止められたか(昭和12年~昭和16年)
第5章 開戦へと至る心理(昭和16年)
第6章 天皇の終戦工作(昭和17年~昭和20年)
第7章 八月十五日を境にして(昭和20年~昭和22年)
第8章 "記憶の王" として(昭和22年~昭和63年)
おわりに (保阪正康)


<関連サイト>



<ブログ内関連記事>

書評 『昭和天皇のゴルフ-昭和史を解く意外な鍵-』(田代靖尚、主婦の友社、2012)-「戦前」の昭和史と日本ゴルフ史との交錯点を昭和天皇に見る

「日本のいちばん長い日」(1945年8月15日)に思ったこと

書評 『占領史追跡-ニューズウィーク東京支局長パケナム記者の諜報日記-』 (青木冨貴子、新潮文庫、2013 単行本初版 2011)-「占領下日本」で昭和天皇とワシントンの秘密交渉の結節点にいた日本通の英国人の数奇な人生と「影のシナリオ」

書評 『ワシントン・ハイツ-GHQが東京に刻んだ戦後-』(秋尾沙戸子、新潮文庫、2011 単行本初版 2009)-「占領下日本」(=オキュパイド・ジャパン)の東京に「戦後日本」の原点をさぐる


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2011年6月24日金曜日

書評『「鉄学」概論 ― 車窓から眺める日本近現代史』(原 武史、新潮文庫、2011)―「高度成長期」の 1960年代前後に大きな断絶が生じた


鉄道を軸にみると「高度成長期」の 1960年代前後に大きな断絶が生じたことがわかる

 『「鉄学」概論 ― 車窓から眺める日本近現代史』は、歴史学者・原武史の「鉄学」概論である。「鉄学」とは哲学をもじった表現、いうまでもなくここでいう「鉄」とは「鉄道」の「鉄」のことである。

 専門である近代天皇制についての研究は、趣味の域を超えた鉄道研究(・・基本的に乗り鉄)と大きな相乗効果をあげていることは、原武史の読者であればよくご存じのことであろう。一言でいえば、「鉄道×日本近現代史」である。

 タイトルにひかれて手にとった読者も、すでに原武史の著作を何冊か読んできた者にとっても、十二分に楽しめる内容の読み物になっているといえよう。また本書から逆に原武史個々の作品に読書の幅を拡げていくのもいいかもしれない。原武史のエッセンスが本書に凝縮されているからだ。

 この本に取り上げられたテーマを列挙するなら、鉄道紀行文学、鉄道沿線と作家、近代天皇制、東西日本の私鉄沿線宅地開発、住都公団による鉄道沿線の団地開発、路面電車の廃止による首都東京の記号化、といったことになるだろうか。

 本書を読んでいて強く印象を受けたのは、鉄道を軸にして考えると、第二次大戦を境にした戦前と戦後の断絶よりも、1960年代を前後にした断絶のほうがはるかに大きいということだ。

 1960年代とはいうまでもなく「高度成長期」、この時代にはモータリゼーションの急激な進展にともなって渋滞緩和のために高速道路が建設され、路面電車である都電は廃止され地下鉄によって代替され、住宅供給の目的で私鉄沿線には多数の団地が建設された。

 東京への一極集中がさらに進んだなかで、1970年代前半には新宿駅を舞台にした暴動や、都内各地や高崎線上尾駅での通勤者による暴動も発生したのであった。2010年代のいまからはまったく想像もできないような状況が、民営化前の国鉄(当時)には存在したのである。著者と同じく1962年生まれの私には、肌感覚をもって理解できることも多い。

 鉄道を軸にして日本近現代史を考える、あるいは日本近現代史を鉄道をつうじて見る。そのどちらでもいいのだが、とくに「高度成長期」とは何だったのかを考えることのできる内容になっている。

 文庫本なので、ぜひ車中で読みたい本である。


<初出情報>

■bk1書評「鉄道を軸にみると「高度成長期」の1960年代前後に大きな断絶が生じたことがわかる」投稿掲載(2011年3月9日)
■amazon書評「鉄道を軸にみると「高度成長期」の1960年代前後に大きな断絶が生じたことがわかる」投稿掲載(2011年3月9日)


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目 次

はじめに
第1章 鉄道紀行文学の巨人たち
第2章 沿線が生んだ思想
第3章 鉄道に乗る天皇
第4章 西の阪急、東の東急
第5章 私鉄沿線に現れた住宅
第6章 都電が消えた日
第7章 新宿駅一九六八・一九七四
第8章 乗客たちの反乱
参考文献


著者プロフィール

原 武史(はら・たけし)

1962(昭和37)年、東京都生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。国立国会図書館、日本経済新聞社勤務を経て東京大学大学院博士課程中退。現在、明治学院大学教授、専攻は日本政治思想史。著書に『昭和天皇』(司馬遼太郎賞受賞)、『滝山コミューン一九七四』(講談社ノンフィクション賞受賞)、『「民都」大阪対「帝都」東京』(サントリー学芸賞受賞)、『大正天皇』(毎日出版文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<書評への付記>

 この書評は、初出の日付を見て頂ければわかるように、2011年3月9日に書いたものだ。「3-11」の二日前である。

 時代区分の問題について、戦前戦後を話題にしているが、すでに「3-11」を経験したわれわれは、いわゆる「戦後」はすでに終わりを告げ、「3-11」以後の世界に生きているという認識を多くの人が持ち始めていることと思う。

 わたし自身も、すでにこのブログで 「歴史の断層」をみてしまったという経験-「3-11」後に歴史が大転換する予兆 と題した文章を書いて、その感覚について記している。

 とはいえ、書評のなかで指摘した「鉄道を軸にして考えると、第二次大戦を境にした戦前と戦後の断絶よりも、1960年代を前後にした断絶のほうがはるかに大きい」という感想は、とくに現時点では変更する必要はなさそうだ。

 すでに経済学者の吉川洋が『高度成長-日本を変えた6000日-((20世紀の日本)』(読売新聞社、1997 現在は中公文庫)でも指摘しているように、日本独特の流通制度や農業など、江戸時代以来の産業が、明治維新後でも敗戦後でもなく、「高度成長期」に劇的に変化したことは、もうそろそろ「常識」となってもいいのではないかと思う。

 鉄道の変化も、その意味では「高度成長期」に激変したことは、おなじく同期(シンクロナイズ)した現象といっていいのかもしれない。


<ブログ内関連記事>

石川啄木 『時代閉塞の現状』(1910)から100年たったいま、再び「閉塞状況」に陥ったままの日本に生きることとは・・・ 

「歴史の断層」をみてしまったという経験-「3-11」後に歴史が大転換する予兆

沢木耕太郎の傑作ノンフィクション 『テロルの決算』 と 『危機の宰相』 で「1960年」という転換点を読む
・・遅れてきた右翼少年によるテロをともなった「政治の季節」は1960年に終わり、以後の日本は「高度成長」路線を突っ走る。「世界の静かな中心」というフレーズは、 『危機の宰相』で沢木耕太郎が引用している三島由紀夫のコトバである。

映画 『バーダー・マインホフ-理想の果てに-』(ドイツ、2008年)を見て考えたこと
・・三島由紀夫と同時代の1960年代は、日本でもドイツでもイタリアでも「極左テロの季節」であった

「やってみなはれ」 と 「みとくんなはれ」 -いまの日本人に必要なのはこの精神なのとちゃうか?
・・三島由紀夫の割腹自決の一年前の1969年に創業70年を迎えたサントリー、これを記念して開高健が執筆した「やってみなはれ」は「高度成長」期の日本人のメンタリティそのもの

書評 『高度成長-日本を変えた6000日-』(吉川洋、中公文庫、2012 初版単行本 1997)-1960年代の「高度成長」を境に日本は根底から変化した

書評 『鉄道王たちの近現代史』(小川裕夫、イースト新書、2014)-「社会インフラ」としての鉄道は日本近代化」の主導役を担ってきた

(2014年8月14日、2016年7月23日 情報追加)


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