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2015年12月24日木曜日

Season's Greetings (2015年12月24日)-なぜヒイラギがクリスマスと結びついているのか?


Merry Christmas and a Happy New Year !!!

新年にはまだ早いですが、皆様のご多幸を願って「季節のご挨拶」(Season's Greetings)として送ります。クリスマスにつきものの赤い実のついたセイヨウヒイラギを添えて。

ところで、なぜ赤い実のついたヒイラギがクリスマスにつきものなのでしょうか? しかも、赤い実がつくのは、ふつうの家庭でも生垣として植えられているヒイラギではなくてセイヨウヒイラギであることを知ってますか?

こういうときに役に立つのが 『イメージ・シンボル辞典』(アト・ド・フリース、山下共一郞他訳、大修館書店、1984)。西欧世界のイメージについては、個々の項目については的確な知識を得ることができる辞典です。

ではさっそく、「holly ヒイラギ」の項を見ておきましょう。そもそも holly という名称じたい、holy なものであることを連想させますね。聖なるヒイラギ(holy holly)。重要なポイントをあげておきます。

1. 常緑樹の1つ。ヨーロッパでこの属は、地質年代初期にはもっと豊富であった。(・・後略・・)
2. 一年の後半、とくに冬至を表す。
 a. サトゥルナリア祭(Saturnalia)で、サトゥルナリアの棍棒はヒイラギで、一年の後半を表す。ローマでは、サトゥルナリア祭のとき、ロバをヒイラギで殺して生贄とした。
 b. ケルトの緑の騎士との関連: 緑の騎士はヒイラギの騎士で、(夏至の「新年」に)冬至の新年から支配したオークの騎士(ガーウェイン)に代わる。(・・後略・・)
 c. クリスマス: 初期のキリスト教徒はクリスマスを表すために、サトゥルナリア祭のヒイラギをそのまま使った。ヒイラギは常緑樹なので永遠の生命を表す。歓待を表す。とげがあることから懺悔を表す。ヒイラギはオークよりも貴重なものとされる。ヒイラギはTと対応し十字架刑と関連する。赤い実はキリストの血、死にいたる愛を表す。オークに関連をもつ聖ヨハネ(祝日:6月24日)を、ヒイラギに関連をもつキリスト(クリスマス)が追う(・・後略・・)

ざっとこんな感じでしょうか。この記述から読み取れるのは、ヒイラギを飾るのは、キリスト生誕日というクリスマス以前の信仰のうえに乗っかったものであること、古代ヨーロッパにおいてヒイラギはオーク(=落葉樹の楢、常緑樹の樫)と対をなす存在であったこと、などです。

ヒイラギのもつ象徴性については、まさにそのとおりだというべきでしょう。ヒイラギの棘の存在は日本でも同じようにみなされてきました。魔除けとしての機能ですね。

ただし、日本に在来のヒイラギは棘棘の出た葉っぱの形がよく似てますが、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)とはまったく別種の植物です。日本のヒイラギ(Osmanthus heterophyllus)はモクセイ科モクセイ属に属します。

西欧文明はキリスト教文明ですが、キリスト教が普及する以前の古代の信仰を大幅に取り入れています。ときに「ヨーロッパの縄文」と称されることもある先住民のケルト文明、そして地中海文明としての古代ローマの多神教世界。

とくにケルトにかんしては、ヒイラギが関係する冬至や夏至だけでなく、収穫祭であるハロウィーンや、メーデーの起源など枚挙に暇(いとま)がありません。

そう考えると、クリスマスはかならずしもキリスト教のものだとも言い切れないのかもしれませんね。

ではあらためて、メリー・クリスマス!







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2011年10月31日月曜日

ケルト起源のハロウィーン ― いずれはクリスマスのように完全に 「日本化」 していくのだろうか?


 さて、本日はハロウィーン(Halloween)ですね。米国では子どもたちが "Trick or Treat ?" といいながら、家々を回ってキャンディやお菓子をもらう行事として知られています。

 "Trick or Treat ?" とは、「キャンディーくれなきゃ、いたづらしちゃうぞ」とでも訳したらいいでしょうか。まあ、決まり文句として覚えておけばいいでしょう。

 なんと、カボチャならぬ柿までがハロウィーン仕様に(上掲の写真)! 

 鳥の仕業でしょうか? さすがにくりぬいた柿のなかにロウソクは入ってません(笑)。ランタンではありませんから。もちろん、鳥が意図してやったのではないでしょうが、自然界はときどき思いもつかないことをしてくれるものですね。

 気をつけて見ていると、いろんなものが目に飛び込んでくるようになります。観察力が鋭くなるのか、偶然に対する感受性が強くなるのか。意図しなくても、自然とおもしろいものが向こうから飛び込んでくるようになります。目的意識が脳内で無意識レベルに沈殿しているのでしょうか?

 もちろん、「意図せざる偶然のもの」であっても、気がついて活かすことができるかは本人次第。偶然性を積極的に活かす能力が、発明や発見に際して大きく働いていることはノーベル賞受賞者の談話を読むと実感されるものですね。


■ハロウィーンはケルト起源-アメリカ伝来のお祭りは「日本化」するプロセスの途上にある

 ハロウィーンは、アメリカ伝来の季節の行事ですが、日本でも定着しつつありますね。最初はお祭り好きな在日外国人や若者から、そしていまでは幼稚園や保育園の年中行事にまでなっています。

 クリスマスやバレンタインデーほどではないですが、もうかなり定着してきているようです。子どもたちの成長とともに、日本社会に根付いていくのでしょう。

 もともとケルト起源のこのお祭りは、キリスト教以前の祭がキリスト教のベールをまとっているに過ぎないので、キリスト教の教義とは本来なんの関係もないようです。その意味では、日本で受け入れられたのも問題なしとしておきましょうか。ケルトは日本でいえば縄文人に該当する、ヨーロッパの先住民です。

 クリスマスだって、いまの日本ではキリスト教と結びつける人はほとんどいないですし、おそらくハロウィーンも時間がたてばアメリカという異文化的要素も消えて「日本化」していくのでしょうね。現在はまだアメリ文化そのものといった感じで、わたし自身はまだ違和感を感じていますが、「日本化」していくなら、それもまた一興でしょう。

 大学学部時代は、いまは亡き阿部謹也教授のゼミナールで 「ヨーロッパ中世史」 を専攻していましたので、ときどき集まるゼミテン(・・ドイツ語のゼミナリステンの略)の集まりは、ビジネスとはほとんど関係なく、利害関係がまったくありませんから楽しいものです。

 先日の会合で、同席していたケルト学の専門家に質問したところ、キリスト教の「万聖節」は、もともとはケルトの農耕儀礼ですが、ケルト地帯のフランス北部ブルターニュでは、アメリカから逆輸入される形でハロウィーンが行われているとか。巨大カボチャでつくる ジャック・オ・ランタン(Jack-O'-Lantern)はアメリカ生まれのようですね。

 これを書いていてふと思い出したのは、そういえばケルトの歌姫エンヤ(Enya)に、カボチャではなく、日本のボンボリのような吊し灯籠(=ランタン)に火入れしている写真をジャケットにした CDシングル があったな、と。探したらでてきたのが On My Way Home という 1996年発売の欧州版ミニアルバム。なぜ、日本のボンボリなのかは定かでなかったのですが、買ってから 15年たったいま初めて意味がわかりました!


 ところで、おなじく会食会で同席していたカトリック司祭によれば、カトリックではハロウィーンはやらない、とのこと。10月31日の深夜から11月1日にかけて「万聖節」よりも、その翌日11月2日の「万霊節」(=死者の日)のほうが重要だからとのことです。万霊節とは、すべての死者のためにミサを開いて祈る日のことです。

 このように、ハロウィーンをめぐっては、何でもありの日本人はさておき、キリスト教でもカトリックとプロテスタントでは、受け入れに際してかなりの温度差があるようです。

 ところで、歌姫エンヤはアイルランド人。ケルト人の国であり、かつカトリック国でもあるアイルランドの状況はどうなのか、気になるところです。


■「仏教国が資本主義化」すると、何でもありの状況になるのだろうか?-伝統行事との関係は?

 タイ人も日本人と同様に、クリスマスやバレンタインデーを祝うようになっています、もちろんキリスト教抜きの習俗としての受け入れですね。とはいえ、タイ人と日本人とでは受け入れの時期が異なるため、受け入れの仕方についても違いがあるような気がしないでもありません。

 「仏教国が資本主義化すると、何でもありの状況になるのだろうか?」、日本人がタイ人の行動をみているとそんな仮説めいたことも考えたくなってきます。

 しかし、いまだタイではハロウィーンは習俗化していないようです。おそらく、バンコク在住の英米人のあいだではパーティが行われているのでしょう。バンコクでは、西洋人と日本人とでは遊び場所が完全に棲み分けだれているのでわかりません。

 今年は大洪水となって被害の拡大しているチャオプラヤ川流域ですが、雨期が終わるこの時期は例年はロイ・カトーンという灯籠祭の季節です。この伝統的な祭が現在でも主流のため、タイ人のあいだにはハロウィーンが入り込めないのかもしれません。タイ人にとっては、灯籠は玄関前に飾るものではなく、水に流すものですから。

 日本でもお盆やお正月は、最近でこそ形骸化しつつあるとはいえ、まだまだ伝統行事としての性格が強く保たれています。伝統行事と時期が重なる祭については、外国から伝来した新たな祭も、旧来のものにとって変わるのは簡単ではないようです。

 この時期の祭礼であるお神楽などとは、完全に棲み分けがされていますが、もしかすると、もともと農耕儀礼であったハロウィーンが神社の祭礼と融合していくなんてことになるかもしれません。

 貪欲に外来文化を取り入れてきた日本人が将来どのような取捨選択をするのか、たいへん興味深いものがあります。



<関連サイト>

Enya Official Site(英語)
・・エンヤはヒーリング・ヴォイスの世界的なアイリッシュ・ミュージシャン

Enya - On My Way Home (video)(YouTube)
・・このビデオのなかに、日本のボンボリのような吊し灯籠(=ランタン)に少女たちが火入れする幻想的なシーンを、帰郷する旅の途中のエンヤが回想するシーンがでてくる


PS 2016年のハロウィンで、ついにある分水嶺を超えてしまったようだ・・・

ハロウィンの何が日本人を夢中にさせるのか 外国人も目を見張る衝撃的な熱狂ぶり (田中道昭 :立教大学ビジネススクール教授、東洋経済オンライン、2015年10月5日)
・・大人のコスプレと参加。すでにクリスマスを超える、都市住民にとっての秋祭りとなったようだ

死者に「更衣」した大勢の若者たち〜仮装が持つ“本当の意味”とは? ハロウィンの夜、渋谷を歩く (畑中章宏:作家・民俗学者、現代ビジネス、2016年11月1日)

(2016年10月30日、11月6日 情報追加)


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■日本では「習俗化」したキリスト教

書評 『日本人とキリスト教』(井上章一、角川ソフィア文庫、2013 初版 2001)-「トンデモ」系の「偽史」をとおしてみる日本人のキリスト教観

書評 『「結婚式教会」の誕生』(五十嵐太郎、春秋社、2007)-日本的宗教観念と商業主義が生み出した建築物に映し出された戦後大衆社会のファンタジー
・・キリスト教的なるものという西洋への憧れは依然として日本女性のなかにポジティブなイメージとして健在

書評 『ミッション・スクール-あこがれの園-』(佐藤八寿子、中公新書、2006)-キリスト教的なるものに憧れる日本人の心性とミッションスクールのイメージ

書評 『日本人は爆発しなければならない-復刻増補 日本列島文化論-』(対話 岡本太郎・泉 靖一、ミュゼ、2000)
・・抜書きしておいた「日本におけるキリスト教の不振」にはぜひ目を通していただきたい。文化人類学者・泉靖一氏の見解に説得力がある

バレンタイン・デーに本の贈り物 『大正十五年のバレンタイン-日本でチョコレートをつくった V.F.モロゾフ物語-』(川又一英、PHP、1984)

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2011年5月1日日曜日

5月1日は メーデー(May Day)


 本日5月1日はメーデーだ。勤労者の日である。

 今年(2011年)は、たまたま日曜日にあたっているので休日になっているが、なぜか日本では現在にいたるまで祝日になっていない。

 5月1日は、レイバーデー(Labor Day)ともいい、祝日にしている国は多い。世界のカレンダーから抜き出してみよう。

●労働節:中国、香港
●メーデー:フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ドイツ、フランス、ベルギー
●春と労働の祝日:ロシア
●レーバーデー:オーストラリア(NT)
●メーデー:オーストラリア(QLD)、アイルランド
●アーリー・メイ・バンクホリデー:英国


■メーデーがインデックス(索引)となって思い出した「エピソード記憶」

 メーデーというと、大学を卒業して就職した年のことを思い出す。いまから26年前(!)の1985年のことだ。まだ「昭和時代」であった。

 4月の 1ヶ月研修が終わったあと、配属が決まったのだが、上司となった人から呼ばれて、5月1日から出張にいくから用意をしておくようにと、いきなり申し渡されたのであった。週末に銀座でカバンを買って、出張に備えたことを思い出した。

 配属初日がいきなり出張、出張先は山梨県の甲府。新宿駅から特急あずさ号にて甲府へ。

 訪問先の会社でミーティングに同席したのだが、そのとき窓の外から聞こえてきたのがメーデーの労働歌であった。なにやら違和感を感じながら聞いていたことを思い出す。

 こんなことスッカリ忘れていたのだが、エピソード記憶というのは面白いことに、「メーデー」がインデックスとなって、底に沈んでいた記憶が引っ張り出されてくる。けっして忘れたわけではない、再生してなかっただけなのだ。

 当時の上司の上司、すなわち部長は銀行から出向してきていた人なのに、毎年この日には家族を連れて「赤旗祭」(!?)に行くといっていた。資本主義の牙城であるはずの銀行で「赤旗」とは!! 

 当時はきわめて強い違和感を感じたのだが、まだソ連も健在で、社会主義の余韻がまだ世の中に存在していた時代である。作家の島田雅彦が、左翼のことをサヨクと書いて話題になってから、まだそれほど時間がたっていなかった頃が時代背景だ。

 1991年にソ連が崩壊して冷戦構造が終わってから今年で既に20年、いまではまったく何のことか想像もつかないかもしれない。


■メーデーの起源はメイフェア(五月祭)??
 
 メーデーは、ほんとうはメイデイと書いた方が発音に近い。May Day は最初の子音の違いだけで完全に韻を踏んでいる。音の響きからいったら heyday(真っ盛り)というコトバも連想する。

 もともとは、ヨーロッパでは伝統的に、この日に春の訪れを祝う「五月祭」が行われてきた。「メーデー」とは元来は五月祭を開く日であったのである。キリスト教以前から存在していた「五月祭」がベースにあるようだ。Wikipedia の記述を引用しておこう。東大の「五月祭」ではないので念のため(笑)。

 五月祭(ごがつさい)とは、古代ローマの祭に由来する。5月1日に、豊穣の女神マイアを祭り供物が捧げられた。夏の豊穣を予祝する祭りと考えられている。現在では、ヨーロッパ各地で、キリスト教伝来以前にさかのぼる起源をもつ、春の訪れを祝う日として定着している。英語では Mayfair, Mayday などと呼ぶ。
 この日は、メイポール(字義通りには「五月の柱」)とよばれる柱を立て、リボンや緑の枝などでかざり、その周りで人々が踊る。また未婚の女性からメイクイーンを選ぶなどの遊びをする。

 メイクイーン(May Queen)というと、日本では男爵とならんで有名なジャガイモの品種を思い出すが、実際にここに由来があるようだ。

 メイポール(May Pole)は、宗教学でいう世界樹(axis mundi)のこと。神がそこを伝わって降りてくる依り代(よりしろ)のことだろう。

 メーデーの前日(4月30日)からメーデーにかけての夜は、「ヴァルプルギスの夜」とよ前夜祭がおこなわれるとのこと。ワグナーのオペラにもでてくる「ヴァルプルギスの夜」、遠くケルトにも遡ることのできるこの祭は、不思議なことに、日本人にはさほど違和感を感じさせないものがある。

 キリスト教徒ではないののであれば、それを「異教的」というのは正しい表現ではない。

 さて、この「五月祭」と労働者の祭典である「メーデー」とは関係があるのか、ないのか?

 「メーデー」の起源は、wikipedia の記述によれば、「労働者の日としてのメーデーは、1886年5月1日に合衆国カナダ職能労働組合連盟(後のアメリカ労働総同盟、AFL)が、シカゴを中心に8時間労働制要求(8-hour day movement)の統一ストライキを行ったのが起源」だそうだ。

 米国の秋の収穫感謝祭(Thanksgiving Day)を起源にもつ「勤労感謝の日」(11月23日)が日本でも祝日になったのに、春の種まき時期にあたる 5月1日の「メーデー」が祝日になっていないという事実。

 「勤労感謝の日」という奇妙な休日は、アメリカ占領軍が日本に押しつけたものだ。新憲法発布前は、5月3日は祝日ではなかったから、5月1日が祝日にならなかったのは不思議だ。

 講和条約成立後に「血のメーデー事件」(1952年)などが発生しているが、過激な労働運動が拡大することを占領軍が怖れていたからだろうか?

 ところで、わたしは、仕事でタイ王国のバンコクにいた頃、メーデーが祝日で休みになるということから、なぜ日本では祝日にならないのかという疑問を持ちだした。

 タイ王国の4月は、他の上座仏教国と同様、4月のなかばにソンクラーンという新年をむかえる暑い季節なので、4月はそうでなくても、あまり勤労意欲のわかない一ヶ月である。それなのにまた5月1日が祝日で休みかよ!? と思ったのであった。

 これはタイ王国での話であるが、人を使う側の立場と、使われれる立場の違いといえば、そのとおりなのだが・・・。





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P.S. メーデー(May-day)とメイポールについては、英国の人類学者ジェイムズ・フレーザーの『金枝篇』(The Golden Bough)に記述がある。

It would be needless to illustrate at length the custom, which has prevailed in various parts of Europe, such as England, France, and Germany, of setting up a village May-tree or May-pole on May Day.  (出典: http://www.bartleby.com/196/pages/page123.html )

イングランドやフランス、ドイツにおいては、メイデイ(5月1日)にメイツリーあるいはメイポールを立てる慣習がさまざま場所に存在した。もともと先住民のケルト人の慣習であったようだ。

現地でフィールドワークを行わなかったフレーザーは、「アームチェア・アンストポロジスト」(安楽椅子の人類学者)として、現在は専門家からはあまり顧みられないようだが、宣教師や外交官など現地駐在者から集めた膨大な情報をもとに分類研究した成果である『金枝篇』は、英文学にも大きな影響を与えたといわれている。

日本でも民俗学の柳田國男や折口信夫に大きな影響を与えている。折口信夫が英語原文から行った日本語訳は、そのいくつかが全集にも収録されている。折口信夫は「ふれいざあ教授のごうるでん・ばう」と独特の表記法で言及している。

『金枝篇』は抄訳版が岩波文庫やちくま学芸文庫からでているので、ぜひ一度は読んでいただきたいと思う。じつに面白い読み物である。







(2013年5月1日 追記)

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