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2025年4月13日日曜日

『神と人と言葉と ― 評伝・立花隆』(武田徹、中央公論新社、2024)を読み、そのあと積ん読のままだった『サピエンスの未来 ― 伝説の東大講義』(立花隆、講談社現代新書、2021)を読んで「知の探索者」の生涯の軌跡を知り「人類の未来」について考える

 


ジャーナリストの立花隆が亡くなってから4年、猫ビルとその膨大な蔵書も処分されてしまったが、その人がいかなる人であったかについての説明は、現時点ではまだ必要はないだろう。 

文理にまたがる膨大なノンフィクションを残した作家であり、NHKスペシャルなどへの出演によって最先端の科学技術の啓蒙をおこなった「知の案内人」でもあった。 

マスコミや出版社によって「知の巨人」とラベリングされたその人は、晩年には「知の虚人」などと揶揄され、毀誉褒貶あいなかばする存在となってしまった。 

立花隆本人がその「称号」を拒否することがなかったからであり、自業自得といってしまえばその通りなのだが、「知の巨人」なるブランドが正当な評価を遠ざけてしまてっているような気がしないでもない。 

その意味でも、おなじくジャーナリストで作家でもある武田徹氏による『神と人と言葉と ー 評伝・立花隆』は、戦後日本を生きた立花隆というジャーナリストの全体像を知るうえで有用な評伝であった。  

タイトルの『神と人と言葉と』にあるように、無教会派のキリスト教徒の両親のもとで育った立花隆は、その影響圏から脱しようとしたものの、スピリチュアルなものへの関心をつよく持ち続けた人であったことがわかる。 

ジャーナリストの仕事は、基本的に「ファクトとロジック」が基盤となるものだが、著者によれば、ウィトゲンシュタインの影響を受けている立花隆は、ウィトゲンシュタインのいう「語り得ぬもの」について、その「語りうる限界」をひたすら拡張しようと試みたのであった。

外に向かっては宇宙空間へと限界を拡張し内側に向かっては人間のインナースペース(内宇宙)に知的関心が向かったというわけだ。

 そんな立花隆が、いわゆるニューサイエンスに大いに心を惹かれたのも当然のことだったのだろう。

一歩間違えばエセ科学になりかねない分野ではあるが、『宇宙からの帰還』や『臨死体験』など、現在でも読むに値する作品は、そんな立花隆にとっては、大いに意味のあった仕事だと納得させられる。 


(画像をクリック!) 


目 次 
まえがき ーー 立花隆は苦手だった
1 北京の聖家族 
2 焼け跡の知的欠食児 
3 二十歳のころの反核運動 
4 現代詩と神秘哲学 
5 ヤクザと言語哲学 ― 週刊誌記者時代 
6 『論理哲学論考』の磁力圏 ―「田中角栄研究」 
7 ジャーナリズム+αへ ―『宇宙からの帰還』 
8 もうひとつの調査報道 ―『脳死』 
9 相転移と踏み止まり ―『脳死体験』 
10 東大教授になったジャーナリスト
 11 「立花先生、かなりヘンですよ」 
12 ニュー・サイエンスと「知の巨人」
 13 「あの世で会おう」―『武満徹・音楽創造への旅』 
14 回帰と和解のとき
あとがき ーー 立花隆版『論理哲学論考』
創作と現実の間 ―(対談)大江健三郎×立花隆
参考文献

著者プロフィール
武田徹(たけだ・とおる)
1958年生まれ。ジャーナリスト、評論家、専修大学文学部教授。国際基督教大学大学院比較文化研究科博士前期課程修了。著書に『流行人類学クロニクル』(サントリー学芸賞受賞)など。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



■『立花隆が読み解くテイヤール・ド・シャルダンが示した人類の未来』

さて『サピエンスの未来 ー 伝説の東大講義』(立花隆、講談社現代新書、2021)だが、1996年に東大で学生向けに行われた講義録に大幅に手を入れて雑誌に発表したものの、生前には単行本化されることがなかった作品だ。 

まさに文理融合の立花隆ワールドそのものであり、大いに満喫しながら最後まで読んだ。集大成ともいうべき内容であるが、末尾がちょっと尻切れトンボなのは、雑誌連載のまま著者自身による単行本化がさなされなかったからであろう。 

『サピエンスの未来』というタイトルは、編集担当者がつけたものだろうが、『立花隆が読み解く、テイヤール・ド・シャルダンが示した人類の未来』とでもしたほうが、内容的には正確だろう。


(テイヤール・ド・シャルダン 1955年に撮影 Wikipediaより)


テイヤール・ド・シャルダン(1881~1955)は、20世紀前半に生きたフランスの古生物学者でイエズス会士。北京原人の発見で有名で、進化論にもとづいて人類(ホモ・サピエンス)の壮大な未来図を考察した独自の思想家でもあった。 

日本ではテイヤールと略していうことが多いが、シャルダンまでが名字であり、ファストネームはピエールである。

そんなテイヤールの独自な概念である、「複雑化=意識の法則」、「精神圏」(ヌースフィア)、「オメガ・ポイント」、「超人間」、「超進化」などの解説を行いながら、1998年時点での科学技術の状況を踏まえて立花隆がテイヤール思想を読み解いた内容になっている。

人類の未来とはSF的であるが、SFを超えた思考が必要になる。それは科学的思考を踏まえた神学的思考である。




立花隆が冒頭で述べているように、この本のメッセージは「すべてを進化の相の下に見よ」というフレーズに集約される。

「進化の相」のもとにおいては、物質と精神は二元的に対立するものではなく、相互に影響し合いながら万物が進化していくのである。 

そして進化の頂点にあるとされる人類(ホモ・サピエンス)もまた、進化のプロセスのなかにある。

物質である脳の発達が精神の発達を推進し、「放散」と「収斂」という「進化の弁証法」のもとに、さらなる高度な発達をしていくことになる。 そしてその行き着く先は「超人間」(・・ただしニーチェのいう「超人」とは異なり、超進化した人類の集合体)であり、「オメガ・ポイント」という一点に収斂していく。

ちなみに、本書には説明がないが、「オメガ」(Ω)とはギリシア文字の最後に来るものだ。英語なら「ゼット」(Z)というべきもの。「最初から最後まで」を意味する「アルファからオメガまで」という表現があるが、ギリシア語で書かれた新約聖書をベースにしたキリスト教ならではのフレーズである。

テイヤール・ド・シャルダンの議論について関心のある人は、ぜひ直接本書を読んでみてほしい。立花隆による解釈を経たものであるが、知的好奇心が大いに満足されるはずだ。 

進化論の立場に立つ科学者であったテイヤール・ド・シャルダンは、超越的な神には否定的であった。そのためローマ教皇庁から生前は出版を禁止されていた。とはいえ最後の最後までキリスト教徒であり、その未来像にキリスト教的なテイストがあることは否定できない。

おそらく、そうだからこそ立花隆にとっては、大いに共感するものがあったのだろう。キリスト教的なるものから脱しようとした立花隆であったが、その発想の根底にキリスト教なるものがあったことは、『神と人と言葉と ー 評伝・立花隆』(武田徹)にあるとおりだ。

本書『サピエンスの未来』は、立花隆の集大成となる著作として読むのもよし、あるいはテイヤール・ド・シャルダンの思想を知るために読むのもよい。 百万年スケールで考えた人類の未来のひとつの見取り図である。

現在の日本ではいまだ広く知られているわけではないテイヤール・ド・シャルダンについての解説として読み、その思想的背景のひとつである「ロシア宇宙主義」について関心を深めるきっかけになることであろう。 



画像をクリック!) 


目 次 
解説 不安な時代の地の羅針盤(緑慎也)
はじめに
第1章 すべてを進化の相の下に見る 
第2章 進化の複数のメカニズム 
第3章 全体の眺望を得る 
第4章 人間の位置をつかむ 
第5章 人類進化の歴史 
第6章 複雑化の果てに意識は生まれる 
第7章 人類の共同思考の始まり 
第8章 進化論とキリスト教の「調和」 
第9章 「超人間」とは誰か
第10章  「ホモ・プログレッシヴス」が未来を拓く 
第11章 終末の切迫と人類の大分岐 
第12章 全人類の共同事業 

著者プロフィール
立花隆(たちばな・たかし)
1940年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、文藝春秋入社。1966年退社し、東京大学文学部哲学科に学士入学。その後ジャーナリストとして活躍。1974年、『文藝春秋』誌に「田中角栄研究 その金脈と人脈」を発表。1979年、『日本共産党の研究』で第一回講談社ノンフィクション賞受賞。1983年、第31回菊池寛賞、1998年、第一回司馬遼太郎賞を受賞。著書多数。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



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2013年10月5日土曜日

書評『現代オカルトの根源 ― 霊性進化論の光と闇』(大田俊寛、ちくま新書、2013)― 宗教と科学とのあいだの亀裂を埋めつづけてきた「妄想の系譜」



現代オカルトの根源である「霊性進化論」は、宗教と科学とのあいだの亀裂を埋めつづけてきた「妄想の系譜」である。

その系譜が「進化」(?)した果てには、なんと「爬虫類人の陰謀」(!?)が登場するのである(笑)
 
「はあ?」な話でしょ(笑)。

そうはいっても、世の中には「マヤ暦によれば2012年に世界が終わる」など、オカルト的なお話を臆面もなく語る方々が多い。当然のことながら世界の終わりは来なかった(笑) 

その手の話題を耳にしたり書き込みを読んだ際は、けっしてあいづちも打たず反論もせず、「ああ、あれね・・」と、あくまでもココロのなかだけで思ってクチには出さず、ポーカーフェイスでやり過ごすのが大人の態度というものであろう。

とはいえ、組織内でこのような話題をクチにする場合、たんなる話題としての発言だけなら問題はないが、限りなく疑似科学的な話であることを知らないと問題は大きい。科学と疑似科学を見分けるのは簡単ではない。とくに「科学信仰が根強く残る日本のような風土では。

そのためにも本書に整理された「妄想の系譜」は、オカルトに対する「知的武装」として、あるいは「免疫」として、ひととおり目をとおしてアタマの片隅に入れておくことをすすめたい。

だが、これらの妄想系の知識そのものは、知っていたところでなんの役にたつのかよくわからないのが痛いところなのだ。おそらく著者もまた、執筆しながらそう思っているのではないかとひそかに推測する。

では、本書のテーマである「霊性進化論」という「妄想の系譜」を簡単に要約しておこう。


「妄想の系譜」はロシアに始まりオウム真理教に至る

19世紀後半、ロシア出身の霊媒ブラヴァツキー夫人が創始した「神智学」というオカルト思想から系譜がはじまる。

この流れはルドルフ・シュタイナーの「人智学」などゲルマン世界での隆盛を経て、ついには「反ユダヤ主義」にも至るのであるが、第二次大戦後は戦勝国のアメリカを中心としたアングロサクソン世界で花開き、そのアメリカから現代日本にも流れ込んでいる。

すべてはブラヴァツキー夫人に発しているわけだが、その主著である 『シークレット・ドクトリン』 において、ダーウィンの「生物学的進化論」に対抗して、「根幹人種論」という特異な進化論を提唱しているそうだ。この「進化」という概念がじつはキーワードなのである。宗教と科学とのあいだの亀裂を埋める試みとはそういうことだ。

ブラヴァツキー夫人の「根幹人種論」の主張は、生物種としての肉体的な進化をするだけでなく、霊性もまた進化するのだということらしい。

さらに人類には「神人」と「動物化する人間」の二種類があるという。霊性に目覚めた人間のなかには「進化」して「神人」になるものがある一方、霊性に背を向けた人間は「退化」して動物にも悪魔にもなるのだという。つまり「二元論」であるわけだ。

神のような人も、悪魔のような人も存在するのがこの世の中だから、受け入れる人が少なくないというのはわからなくはない。ただ、比喩としてはさておき、わたしはこの「二元論」を事実として受ける気にはならない。

著者は、「進化」という概念を媒介することによって、従来の二元論がより具体化され先鋭化されたところに現代オカルティズムの特色があるとしている。

その「妄想の系譜」の果てにあるのが、日本で無差別テロをおこしたオウム真理教だ。その妄想的世界観において「霊性進化論的な二元論」が根幹にあることが指摘されている。

ではなぜ日本のオウム真理教にまで「霊性進化論」が流れ込んでいるかというと、それがアメリカや英国などアングロサクソン世界で流通している思想だからなのだ。戦後アメリカの圧倒的影響を受けてきた日本には当然のように英語を介して入り込んできている。

プロテスタントが主流のアメリカにおいては、進化論をどう宗教に取り込むかがつねに課題となってきた。進化論の授業を禁止している学校もあることは日本でも知られているが、進化論はアメリカにおいては、科学的事実というよりもイデオロギーとして思想信条の領域にかかわる大問題なのだ。 

「第2章 米英のポップ・オカルティズム」に項目として挙げられている、「輪廻転生と超古代史」(エドガー・ケイシー)、「UFOと宇宙の哲学」(ジョージ・アダムスキー)、「マヤ暦が示す2012年の終末」(ホゼ・アグエイアス)、「爬虫類人陰謀論」(デーヴィッド・アイク)をみれば、アメリカや英国において「進化論」がどう取り込まれてきたかが事例として理解できる。

戦後の日本は、英語を介してアングロサクソン圏の思想の影響を圧倒的に受けてきたわけだが、それらをポピュラーサイエンスに現れた科学的思考というオモテの影響とするなら、米英ポップ・オカルティズムという疑似科学としてのウラの影響を受けてきたことになるわけだ。

そもそもスピリチュアルな傾向のつよい日本は、そうした米英ポップ・オカルティズムの影響を受け入れやすい素地がある。1973年のオイルショックによる高度成長の終焉もまたそれに拍車をかけたといえよう。戦前と戦後は断絶したように見えながら、じつは連続しているのである。


なぜ「妄想」は消えることがないのか

だが、著者が強調しているのは、なぜトンデモとして思えないような妄言や妄説に納得している人が多々いるのかということを考えなくてはならないということだ。

著者によれば、個々の人間の死に対して社会がどう向き合うのかというけっして避けて通ることができない問題にキチンとした答えてこなかったのが近代以降の世界であり、宗教と科学とのあいだの亀裂を埋めつづけてきた恣意的な霊魂観のひとつが「霊的進化論」なのだ、と。

つまり、世界解釈のひとつの方法なのである。真であるか偽であるかはさておいて。

そう捉えれば、「霊的進化論」もあながち「妄言」と片付けてしまえないわけだ。既存の宗教が個々の人間の死に対してキチンとした答えを与えることができなくなってしまった以上、答えをもとめる人たちの欲求に応じようとする思想がでてくるのは当然といえば当然だ。

その意味では、よくできたストーリー(=物語)として受け容れる人が少なくないことは、アタマで理解できないではない。ストーリーによる説明の重要性は、いまやビジネスの場でも語られるくらいだから。人はみな安心したいのである。あまり突き詰めて考えたくないのだ。思考の経済学という観点から、所与のストーリーとして受け取りたいのだ。

だから、そういうストーリーが存在し、必要とされるという事実そのものは否定はできない。わたし自身は受け入れれることはないが・・・。

近代以降の状況については、著者による前著 『オウム真理教の精神史-ロマン主義・全体主義・原理主義-』』(大田俊寛、春秋社、2011)本書とあわせて読むことをすすめたい。ロマン主義・全体主義・原理主義という近代精神の鬼子がオウム真理教を生み出したことが理解できる好著である。

自分たちの予言を成就させるためにテロを起こした日本のカルト集団が世界を震撼させたことを忘れるべきではない。これを予言の自己成就という。 

それにしても、何の役に立つかわからないようでありながら、しかし誰かがやっておかねばならない仕事をやっていただいた宗教学者の著者には敬意を表したいと思う次第だ。

ぜひ読んでほしい一冊である。


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目 次 

はじめに
第1章 神智学の展開
 1. 神智学の秘密教義-ブラヴァツキー夫人
 2. 大師のハイアラーキー-チャールズ・リードビーター
 3. キリストとアーリマンの相克-ルドルフ・シュタイナー
 4. 神人としてのアーリア人種-アリオゾフィ
第2章 米英のポップ・オカルティズム
 1. 輪廻転生と超古代史-エドガー・ケイシー
 2. UFOと宇宙の哲学-ジョージ・アダムスキー
 3. マヤ暦が示す2012年の終末-ホゼ・アグエイアス
 4. 爬虫類人陰謀論-デーヴィッド・アイク
第3章 日本の新宗教
 1. 日本シャンバラ化計画-オウム真理教
 2. 九次元霊エル・カンターレの降臨-幸福の科学
おわりに
主要参考文献

著者プロフィール  

大田俊寛(おおた・としひろ)
1974年生。専攻は宗教学。一橋大学社会学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。博士(文学)。現在、埼玉大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

なぜ人間はオカルトにハマってしまうのか?『現代オカルトの根源』の著者、大田俊寛氏に聞く (東洋経済オンライン 2013年8月23日)
・・本書ではあまり触れられていないマンガやアニメなどのサブカルチャーへの影響についても語られている

オウム真理教事件の真の犯人は「思想」だった(大田俊寛、SYNODOS、2014年5月15日)
・・「私は昨年公刊した『現代オカルトの根源』において、霊性進化論の思想的系譜について具体的な考察を行ったのですが、それが原因でいくつかの宗教団体から抗議を受け、団体の広報担当者と長時間にわたって議論を交わすことになりました。(・・中略・・)オウムは、七〇年代以降に生じた「宗教ブーム」という大きな流れのなかから現れた存在であり、そうしたブームを同じくした他の教団が、完全に思想的責任を免れうるということにはならないはずです。(・・中略・・)
 麻原彰晃はオカルト雑誌『ムー』の愛読者であり、一時期はそのライターとしても活動していました。彼の思想は『ムー』によって育まれ、また初期のオウムの活動は、『ムー』によって広く認知されていった。
 2012年にオウム最後の逃亡犯として逮捕された高橋克也被告の所持品のなかには、中沢新一氏の『三万年の死の教え-チベット『死者の書』の世界』(角川書店)という書物が含まれていました。この書物は、NHKが一九九三年に放映した、「チベット死者の書」というスペシャル番組をもとに作られています。 番組の内容は、一言で言えば、チベットの寒村における素朴な葬式の様子を描いたものにすぎないのですが、派手なCGや音響を随所に用いることにより、「死後の世界」をリアルに実感させるような演出が施されている。 この番組は当時、オウムが布教の手段の一つとして使用していたことが知られています。地下鉄サリン事件以前は、こうした番組が公共放送でも流されていたのです。今でもDVDが販売されていますので、一度視聴してみれば、オウムが日本社会で受容され、成長していった当時の雰囲気を実感できるかもしれません。」

と学会公式HP
・・いわゆる「トンデモ本」というラベリング(=レッテル貼り)を果敢に行い、世の中を啓蒙してくれた20年間の功績(笑)をおおいにたたえるべし!

(2017年8月31日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

書評 『オウム真理教の精神史-ロマン主義・全体主義・原理主義-』(大田俊寛、春秋社、2011)-「近代の闇」は20世紀末の日本でオウム真理教というカルト集団に流れ込んだ
・・この本は同じ著者による『現代オカルトの根源』とぜひ一緒に読んでほしい


オカルト的世界観

「ルドルフ・シュタイナー展 天使の国」(ワタリウム美術館)にいってきた(2014年4月10日)-「黒板絵」と「建築」に表現された「思考するアート」

書評 『ドアの向こうのカルト-九歳から三五歳まで過ごした、エホバの証人の記録-』(佐藤典雅、河出書房新社、2013)-閉鎖的な小集団で過ごした25年の人生とその決別の記録

スティーブ・ジョブズの「読書リスト」-ジョブズの「引き出し」の中身をのぞいてみよう!
・・1960年代から70年代にかけてのカリフォルニアという風土

グラフィック・ノベル 『スティーブ・ジョブズの座禅』 (The Zen of Steve Jobs) が電子書籍として発売予定

書評 『稲盛和夫流・意識改革 心は変えられる-自分、人、会社-全員で成し遂げた「JAL再生」40のフィロソフィー』(原 英次郎、ダイヤモンド社、2013)-メンバーの一人ひとりが「当事者意識」を持つことができれば組織は変わる
・・限りなくオカルト的な世界観

書評 『オーラの素顔 美輪明宏のいきかた』(豊田正義、講談社、2008)-「芸能界」と「霊能界」、そして法華経

『鉄人を創る肥田式強健術 (ムー・スーパー・ミステリー・ブックス)』(高木一行、学研、1986)-カラダを鍛えればココロもアタマも強くなる!


アングロサクソン特有の特異な思想

『エコ・テロリズム-過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ-』(浜野喬士、洋泉社新書y、2009)を手がかりに「シー・シェパード」について考えてみる
・・英米系アングロサクソン特有の特異な思想

書評 『2045年問題-コンピュータが人間を超える日-』(松田卓也、廣済堂新書、2013)-「特異点」を超えるとコンピュータの行く末を人間が予測できなくなる?
・・英米系アングロサクソン特有の特異な思想


宗教と科学-両者の葛藤と類似性

書評 『人間にとって科学とはなにか』(湯川秀樹・梅棹忠夫、中公クラシック、2012 初版 1967)-「問い」そのものに意味がある骨太の科学論

書評 『アメリカ精神の源-「神のもとにあるこの国」-』(ハロラン芙美子、中公新書、1998)-アメリカ人の精神の内部を探求したフィールドワークの記録
・・アメリカ人の精神「三重構造」の一番底にある、いわば「超自然意識」とでもいえる合理的、科学的でない神秘、超自然、夢、予感の世界に注目


■キリスト教と進化論

書評 『神父と頭蓋骨-北京原人を発見した「異端者」と進化論の発展-』(アミール・アクゼル、林 大訳、早川書房、2010)-科学と信仰の両立をを生涯かけて追求した、科学者でかつイエズス会士の生涯
・・古生物学者で北京原人の発見者の一人でもあったイエズス会司祭は、キリスト教と進化論を融合させた思想ゆえにバチカンから破門された


「トンデモ系」な人たち

書評 『陰謀史観』(秦 郁彦、新潮新書、2012)-日本近現代史にはびこる「陰謀史観」をプロの歴史家が徹底解剖

書評 『ブリキ男』(秋山祐徳太子、晶文社、2007)
・・『泡沫桀人列伝-知られざる超前衛-』(二玄社、2002)という「トンデモ」なアーチストたちが笑える知られざる名編

おもしろ本の紹介 『偽書「東日流(つがる)外三郡誌」事件』(斉藤光政、新人物文庫、2009)

(2015年8月2日、2017年8月31日 情報追加)


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