「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2026 禁無断転載!



ラベル 伝記映画 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 伝記映画 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年10月26日日曜日

映画『サガン ― 悲しみよ、こんにちは ―』(2008年、フランス)を DVD ではじめて視聴(2025年10月25日)― 「戦後フランス」の文化を担った作家は、その人生もまた「愛と孤独」を生きた人であった

 


先週視聴した映画『ルルドの泉で』(2009年)で主役を演じていた女優のシルヴィー・テステュが気になって調べてみたら、その前年の『サガン』でも主人公のサガンを演じていたことがわかった。ああ、あの女優か、と。 

この映画は、フランスの作家フランゾワーズ・サガンの伝記映画である。1954年に18歳で書いた『悲しみよ、こんにちは』が世界的ベストセラーになって作家デビュー、戦後フランスを代表する作家の一人となった。




若くして大金が転がり込んできたサガン。もともとブルジョワ家庭の出身とはいえ、金銭感覚をまったく欠いていた彼女は、取り巻き連中にかこまれた浪費人生を送り、みずから運転するクルマの交通事故で瀕死の重傷を負って以来、治療で使用されたモルヒネ系のクスリに依存した薬物中毒となる。




スキャンダルまみれの人生であったが、最後は孤独のうちに69歳でなくなった。 「愛と孤独」のテーマそのものを生きた人であった。 




そんなサガンを演じているシルヴィー・テステュは、容貌や体つきが似ていることもあるが、迫真の演技でサガンになりきっている。さすがフランスの知性派女優ならではといえようか。彼女は、小説や脚本を執筆し映画も監督している。

 


ココ・シャネル、エディット・ピアフなど、フランス文化を世界的なものにすることに貢献した女性たちを描いた伝記映画のなかでも、フランソワーズ・サガンを描いたこの映画は指折りの一本となっている。
  
戦後フランスの一面を描いたこの映画には、アルジェリア戦争、1968年学生革命、ミッテラン政権などの外的事象が実写フィルムで挿入される。サガン自身は政治には無関心であったが、サガンと生きた時代が重なるフランス人にとっては、感慨のあるものではないだろうか。 






1980年代前半、大学の学部時代に第二外国語としてフランス語を選択したわたしは、『悲しみよ、こんにちは』をフランス語原書の "Bonjour, Tristesse" で読みかけたことがある。完読できなかったが、その意味でもフランソワーズ・サガンの名前には親しいものを感じているのだ。 



たとえ、デビュー作で代表作の『悲しみよ、こんにちは』以外は忘却されようとも、フランソワーズ・サガンは記憶されつづけることになるのだろう。この映画もまた、その役割を演じることになることだろう。 


(画像をクリック!)



PS 1954年に18歳でデビューしたフランソワーズ・サガンと、1955年に22歳でデビューした石原慎太郎に共通するもの

ちなみに、石原慎太郎が『太陽の季節』で鮮烈デビューしたのは1955年で22歳のときだった。
 
1954年で18歳でデビューしたフランソワーズ・サガンと比較してみると、「同時代性」という観点から「戦後」という時代を考えるうえで有益であろう。

サガンは政治には無関心であったが、ジャズをはじめとしたアメリカ文化(・・息子をもうけた二番目の夫はアメリカ人であった)と「実存主義」の影響を受けているといわれる。政治家となった石原慎太郎もまた、作家としてフランスの「実存主義」に大きな影響を受けた人である。

「戦後日本」は「戦後フランス」の影響をつよく受けている。哲学や思想、そしてなによりも映画やシャンソンなど芸術文化において。


(『サガン』の主演女優シルヴィー・テステュの自伝 Il n'y a pas beaucoup d'étoiles ce soir, 2003)



<ブログ内関連記事>








(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどう
ぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end

2022年7月1日金曜日

映画『エルヴィス』(2022年、米国)を日本公開初日に見てきた(2022年7月1日)― エルヴィスは、アメリカそのものだったのだ!

 

映画『エルヴィス』(2022年、米国)を日本公開初日に見てきた。159分がまったく長く感じられなかった。エルヴィスは最高だ!  

それにしても、主演を演じたオースティン・バトラーは、よくここまでエルヴィスを演じきったと思う。ほとんどエルヴィスが憑依したかのようであった。 

それにもまして、マネジャーのカーネル・パーカーを演じたトム・ハンクスの演技もすごい。ほとんど主役を食いかねないほどの怪演としかいいようがない。 

エルヴィスを見いだしたのは興行師としてのパーカーであり、まさにパーカーなくしてエルヴィスなし。エルヴィスなくしてパーカーなしというほどであり、その愛憎に満ちた関係こそ、この映画の中心テーマである。 


南部テネシー州の田舎町でプアホワイトの家庭に生まれ、黒人居住区で黒人たちのなかで育ち、その音楽環境のまっただ中で育ったエルヴィス。この映画は、エルヴィスの音楽的ルーツがどこにあるのか、余すことなく描き切っている。

R&B(=リズム&ブルース)と黒人教会のゴスペルである。この映画を見るまで知らなかったのだが、エルヴィス初期の代表作 Hound Dog もまた、黒人音楽そのものであった。
 
1950年代は、第2次世界大戦に勝利した米国にとっては「黄金時代」であった。だが、南部では、セグレゲーション(=人種隔離政策)が行われていた。よりによって白人が黒人音楽を演じるなどもってのほかと見なされていた時代だった。 




だからこそ、1955年のデビューが衝撃的であったのだ。モノクロでしか残っていない実写フィルムではなく、この経緯をカラーで再現したからこそ、その意味がいやがおうでもダイレクトに伝わってくるのだ。 


■音楽映画であり伝記映画である

基本的に伝記映画なので、時系列にそって展開していく。

前半のハイライトが、衝撃的なデビューから徴兵による兵役までだとすれば、復員後のミュージカル映画の俳優時代を経て、歌手としての原点に戻った1968年のカムバック以降の日々が後半のハイライトになる。

それにしてもカムバック曲の If I Can Dream には泣かされた。 全身全霊で歌うエルヴィス。曲だけでなく、その歌詞の意味するところこそ重要なのだ。1968年という年が、米国社会においていかなる意味をもっていたかを考えてみたらいい。 


(Elvis Presley - If I Can Dream ('68 Comeback Special)


ただし、学生運動が中心となった欧州や日本の1968年とやや違うのは、米国ではキング牧師やロバート・ケネディの暗殺事件が続くなど、人種問題とベトナム戦争がもたらした精神的病理現象が社会全体に充満しつつあったことにある。

個人的には、1973年のハワイからの全世界衛星生中継(・・これはわたしは小学校4年のときのこと。リアルタイムでTVで見ている。つまり当時は日本の小学生でもエルヴィスの存在を知っていたわけだ。それほどのスーパースターだったのである!)を中心に据えて欲しかったが、そこはさらりと扱われるだけなのはちょっと残念。


(Elvis Presley - Aloha From Hawaii, Live in Honolulu, 1973 (Full Concert) 71分)


ワールドツアーでの欧州と日本公演の夢が叶えられなかったエルヴィスだが、その代償として行われたのがハワイ公演なのであった。

スーパースターとして頂点を極めたが、だからこそ抱え続けた内面の孤独。42歳で亡くなったかれだが、それでも、もはや立って歌えなくなってからの、1977年の最後の最後のステージでの熱唱(・・これはエルヴィス本人だ)には、また心打たれるものがある。


(Elvis Presley Unchained Melody + Indianapolis Airport TRIBUTE 1977)


まさに、全身全霊で歌いきり、生き切った人生だからだ。 

書き出せばきりがないが、エルヴィスのファンならもちろん、かならずしもそうではなくても、音楽映画として大いに楽しめるはずだ。 




なるほど、エルヴィスの曲は、いまに至るまでアメリカ人を癒やしつづけているのだ、と。いや、アメリカ人だけでなく、全世界で愛されされ続けている。 映画の最後で、字幕監修が湯川れい子氏であることを知って、大いに納得した。 





<関連サイト>

・・エルヴィスはワールドツアーで日本に来たかった。映画では、なぜその夢が叶えられなかったかについて、その理由の一端が明らかにされる。そのかわりとして行われたのが、1973年のハワイからの世界衛星生中継だった


<ブログ内関連記事>




・・I have a dream で有名な黒人解放運動の指導者キング牧師は1963年にエルヴィスの故郷メンフィスで暗殺。エルヴィスは、公式にキング牧師に哀悼の意を示すことはできなかった。1968年カムバック曲  If I Can Dream を想起せよ!




・・映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)への解説


(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2017年8月5日土曜日

映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(2016年、米国)を見てきた(2017年8月4日)ー ビジネスパーソンなら絶対に見るべき「生きたケーススタディ」


映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(2016年、米国)を有楽町の角川シネマで見てきた(2017年8月4日)。この映画はじつに面白い。ビジネスパーソンなら絶対に見るべきだ。

マクドナルドの「ファウンダー」(=創業者)であるアメリカ人起業家レイ・クロックの伝記映画である。エンターテインメント作品としての完成度は高く、ものすごい密度の濃い内容で、あっというまに115分がたってしまう。

起業家のレイ・クロックは「フランチャイズ」の仕組みをつかって、マクドナルドを米国全体に急拡大させ、さらには世界全体に拡大して「帝国」を築いた人だ。

映画のタイトルである「ファウンダー」とはレイ・クロックのことを指している。だが、最初のアイデアそのものは彼自身のものではなかった。

1954年、なんと52歳(!)のとき、セールス活動をつうじて偶然知ったのが、南カリフォルニアのサン・バーナデイーノでマクドナルド兄弟が経営するハンンバーガーショップ。直観的にピンときた彼は、セールス中の中西部から西海岸までクルマを飛ばす。思い立ったら即行動なのだ。

徹底的にムダを排除した効率的な運営と、合理的なセルフサービスでコスト削減と高品質を両立させているコンセプトに驚く。しかも、1954年時点でハンバーガーはアメリカ国内でもポピュラーではなかったのだ。

マクドナルド兄弟が追求していたのは、徹底した「標準化」だ。動作研究による合理的な導線設計。まさにアメリカを世界最強の製造業立国に押し上げた「テイラー主義」の精神であり、量産体制を確立したフォーディズムのサービス産業への応用だ。1929年の大恐慌後を経て、兄弟がたどりついたコンセプトである。

それが「原石」であることをただちに認識し、そこにビジネスチャンスを見いだしたレイ・クロックは、マクドナルド兄弟を熱心に口説き落として、フランチャイズ拡大にエネルギッシュに動きだした。その意味で、「ファウンダー」はマクドナルド兄弟ではなく、レイ・クロックであったといって間違いではないわけだ。


レイ・クロックが価値を見いだしたのは仕組みだけではない。「McDonald’s」(=マクダーノーズ)という「名前」そのものに価値を見いだしたのだ。そして「ゴールデンアーチ」というM字のロゴ。これらは、ブランドを構成する要素であり、知的財産権そのものだ。教会の十字架、裁判所の米国国旗に並ぶ存在にしてみせるのだという意気込みがまたすごい。

南カリフォルニアで生まれたコンセプトは、中西部イリノイ州からフランチャイズは始まった。ローカルからナショナルへの拡大。地域繁盛店から全国展開へ。

フランチャイズ拡大プロセスのなか、マクドナルドの創業者兄弟とフランチャイズによる拡大を精力的に推し進めるレイクロックは、ついに決定的対立に至る。この関係は、発明家と事業家の関係に似ているかもしれない。将来像の違いが決裂を生んだのだが、その結果はどうなったか。これは言うまでもないことだ。

そして、成功の秘密は「根気」(persistence)に尽きると、とレイ・クロックは何度も繰り返す。つまり、絶対にあきらめない、ということだ。それはこの映画を見ていれば、おのずから納得させられる。リスク・テーカーであり、ルール・ブレイカーであり、ゲーム・チェンジャーだったレイ・クロックならではの箴言だ。

セールスマンにとってのポジティブ・シンキング、効率的店舗運営、フランチャイズ・システム、ネーミングとロゴで表現されるブランドと知的財産権、不動産ビジネスとファイナンスなどなど、ビジネス関連ネタがてんこ盛り。

スピーディーな展開とマシンガントークのようなアメリカ英語が、いやがおうでもテンションを盛り上げる。 この映画はビジネスパーソンなら絶対に見るべきだ。いや、アメリカ社会やアメリカ文化を知るうえでも中身の濃い映画だといえよう。

超おすすめ。


(米国版ポスター)

PS 米国版のポスターと比べると、日本版のポスターは、主人公のレイ・クロックとM字「ゴールデンアーチ」の位置が微妙に違う。日本版ポスターは、なんだかM字が道化がかぶるフールズ・キャップみたいに見えてしまうのだが、日本版の製作を担当したデザイナーは気がついているのだろうか?






<関連サイト>

映画『ファウンダー』 公式サイト

映画『ファウンダー』 FBページ



柳井正と孫正義が憧れた「マック創業者」「クロックは私にとって恩人です」(プレジデント・オンライン、2017年8月5日)



<ブログ内関連記事>

プラクティカルな観点から日本語に敏感になる-藤田田(ふじた・でん)の「マクド」・「ナルド」を見よ!
・・映画のなかでも「マクダーノーズ」という名前が重要だとピンときたとレイ・クロックは協調している。マクドナルドを日本で成功させた藤田田(ふじた・でん)もまた、レイ・クロックに勝るとも劣らない「怪物」であっった。しかも「知ある偽悪派」の怪物であった

世の中には「雑学」なんて存在しない!-「雑学」の重要性について逆説的に考えてみる
・・藤田田の『ユダヤの商法』について取り上げている

書評 『マクドナルドで学んだすごいアルバイト育成術』(鴨頭嘉人、新潮文庫、2015)-「仕事をつうじて成長する」、ということ

深夜のマクドナルドは「社会インフラ」である!-これがほんとの「社会貢献」ではないか?

日米親善ベース歴史ツアー」に参加して米海軍横須賀基地内を見学してきた(2014年6月21日)-旧帝国海軍の「近代化遺産」と「日本におけるアメリカ」をさぐる
・・米軍基地内のマクドナルドについて。ドナルド君がいる!

合掌ポーズの「ワイ」はクセになる-タイのあれこれ(番外編)
・・タイのマクドナルドではドナルド君はワイ(合掌)で迎えてくれる。これぞローカリゼーション!

ペスタロッチは52歳で「教育」という天命に目覚めた
・・人生に遅すぎるということはない!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end