「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2026 禁無断転載!



ラベル ビジネス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ビジネス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024年4月18日木曜日

書評 『伊藤忠 ー 財閥系を超えた最強商人』(野地秩嘉、ダイヤモンド社、2022)ー 伊藤忠160年の歴史から導きだされた「か・け・ふ」は「ビジネス三原則」だ!

 


伊藤忠160年の歴史を、創業時の「近江商人」としてのルーツから、最強商社となった2020年代の現在までたどった企業ストーリーものである。

総合商社のなかでは伊藤忠がダントツに面白い。そう感じるようになっていったのは、読書家としても有名な丹羽正一郎氏が社長となってからのことだ。そして、現在は会長になっている岡藤正広氏が社長になってから、さらに面白くなった。

その意味では、本書はちょっとヨイショ本的な印象がなくはないが(笑)、ストーリーテラーとして企業活動に寄り添い、ポジティブな側面を見ようという姿勢は、けっして悪いものではない。揚げ足取りが目的のジャーナリスト的な批判本ではない。 

わたしが就職活動をやっていたその昔、1980年代の前半には「商社冬の時代」と言われていたが、それでも商社を目指す学生は物産か商事、つまり三井物産か三菱商事のどちらかしか念頭になかった。いずれも財閥系である。 

「糸へん商社」として低く扱われていた伊藤忠が、ビジネス世界を超えて、一般的にも有名になったのは瀬島龍三氏の存在が大きかったように思う。元エリート陸軍参謀でシベリア抑留10年という人物。山崎豊子の『不毛地帯』のモデルとなった人物だ。 

だが、本書においては瀬島氏はあくまでも傍流という位置づけであり、その点は著者の見識といってもいいと思う。伊藤忠の本流は「商人」であり、それは創業時から一貫したものであるのだ。

現在は会長の岡藤氏が繊維畑の営業マンとして頭角を現したのは、紳士服の服地にブランドをつけて売るという「販売イノベーション」を行ったことにある。 

その気づきを得たエピソードと、業界に先駆けて仕組みを構築した先見性は注目に値する。成長性が低いと見なされがちの既存の業界も、やり方次第であらたな展開が可能なのだ、ということを示しているからだ。

 岡藤氏は、大阪出身で東大出であるが、海外駐在経験もなく、経営企画も経験しておらず、大阪で伊藤忠の祖業である繊維営業一筋でやってきた人であるらしい。そんな人を社長として抜擢した伊藤忠という会社は面白い。あくまでも本流は「商人」なのである。 

それにしても岡藤氏が打ち出した「か・け・ふ」というフレーズは、内容からいっても、コミュニケーションの点からいっても、じつにすばらしい。 

「か」は「稼ぐ」の「か」、「け」は「削る」の「け」、「ふ」は「防ぐ」の「ふ」の略である。

稼ぐ、削る、防ぐ。稼ぐ力があっても、削れるコストを削らなくては利益が確保できない。非常事態が発生しても即座に対応できなくては、企業を守ることはできない。伊藤忠160年の歴史から導きされたビジネス三原則である。 

「か・け・ふ」は、まさにこれこそ商売の要諦、どんなビジネスでも共通するものだな、と。いや、ホームエコノミクスである家政にも応用可能だろう。 


そして、基本に忠実に、基本を徹底する。これができるかどうかで、企業の命運は分かれる。 

本書もまた、学ぶべきものは多い、しかも読みごたえのある本であった。  


(画像をクリック!)



目 次
プロローグ 社員との約束 
第1章 伊藤忠の原点 
第2章 財閥系商社との違い 
第3章 戦争と商社 
第4章 総合商社への道 
第5章 高度成長期における商社の役割 
第6章 自動車ビジネスへの挑戦 
第7章 オイルショックの衝撃 
第8章 下積み時代の教訓 
第9章 バブルの残照 
第10章 商社の序列 
第11章 コンビニ事業への参入 
第12章 ITビジネスへの飛躍
第13章 か・け・ふ 
第14章 あるべき姿とめざすべき姿
第15章 日本と総合商社
第16章 CEOの決断
エピローグ 花見と桜と

著者プロフィール
野地秩嘉(のじ・つねよし)
ノンフィクション作家。1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経て現職。人物ルポルタージュ、ビジネス、食、芸能、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



・・「「日本探検-事務革命」には、総合商社伊藤忠の伊藤忠兵衛が登場する。若き日に欧米を体験して、ローマ字による事務処理が日本語の漢字かなまじり文の事務処理とは、段違いに効率的であることを痛感していた伊藤忠兵衛は、熱心なカナモジ論者となり、社内でもカナモジ化をみずから推進したのであった。梅棹忠夫は、この二代目伊藤忠兵衛(1886~1973)を隠居先に訪問してくわしく話を聞き取っている。」

(2025年7月22日 情報追加)


(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2024年4月9日火曜日

『逆・タイムマシン経営論 ー 近過去の歴史に学ぶ経営知』(楠木建/杉浦泰、日経BP、2020)を読んで、リアルタイムに進行する事象は認知バイアスを意識をして冷静に観察し、見極める力を養うために事物の本質を考えることが大事だとあらためて認識する

 

前々から気になっていたが、積ん読状態になっていった『逆・タイムマシン経営論 ー 近過去の歴史に学ぶ経営知』(楠木建/杉浦泰、日経BP、2020)を読む。  

内容的にはすでに日経ビジネスオンラインでその趣旨は読んでいたが、あらためて書籍として読んでみると、リアルタイムに進行する事象を、人間に特有の認知バイアスを意識して観察することの重要性を認識することになる。 

著者たちが強調しているのは「同時代性の罠」。人間が生きているのは「過去」でも「未来」でもなく、いまこの「現在」であるが、リアルタイムで進行している事象には無意識のうちに多大な影響を受けている。 

ことビジネスのようにカネがからむ活動においては、なおさら「同時代の罠」に捕らわれやすい。(ビジネス以外の非営利組織も同様だが、経済活動の観点からいえばタイムラグがある)

バズワードに踊らされ、流行り物の経営施策に飛びついてしまいがちなのだ。 

著者たちは、おおきくわけて3つのトラップ(罠)として整理している。「飛び道具トラップ」「激動期トラップ」「遠近歪曲トラップ」の3つである。 

これを採用すれば勝てるという「飛び道具」、いまは激動期だという「激動期トラップ」、隣の芝生は青く見えるという「遠近歪曲トラップ」である。 

具体的な事例は、いずれもリアルタイムの事象を紹介した経済記事であるが、これらを現時点から「すでに過去になった現在」として読み返すと、人間というものはなんと愚かなものだと思ってしまうのだ。いまから考えるとアホやねえ、と。 

ところが、リアルタイムではそうは思えないのである。これがさまざまな罠がもたらす認知の歪みであり、本質的な思考を深めることなく、販売サイドのプッシュ攻勢に巻き込まれてしまうのである。

そのあげくは、なんでこんなもの買ってしまったのだ、大枚はたいてなんとやらというわけだ。 もちろん、これは企業活動だけでなく、個人の消費行動についても当てはまる。

リアルタイムに進行する事象は、つねに一歩身を引いて見て考えることをマインドセットにしておきたいものだ。 


(画像をクリック!)



目 次 
はじめに 「逆・タイムマシン経営論」とは何か
第1部 飛び道具トラップ
 第1章 「サブスク」に見る同時代性の罠
 第2章 秘密兵器と期待された「ERP」
 第3章 「SIS」の光と影
 第4章 「飛び道具サプライヤー」の心理と論理
 第5章 「飛び道具トラップ」のメカニズム
第2部 激動期トラップ
 第6章 「大きな変化」ほどゆっくり進む
 第7章 技術の非連続性と人間の連続性
 第8章 忘れられた「革新的製品」
 第9章 激動を錯覚させる「テンゼロ論」
 第10章 ビジネスに革命はない
第3部 遠近歪曲トラップ
 第11章 「シリコンバレー礼賛」に見る遠近歪曲
 第12章 半世紀にわたって「崩壊」を続ける「日本的経営」
 第13章 人口は増えても減っても「諸悪の根源」
 第14章 海外スターCEOの評価に見る遠近歪曲
 第15章 「日本企業」という幻想
おわりに


著者プロフィール
楠木建(くすのき・けん)
一橋ビジネススクール教授。1964年生まれ。1989年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。一橋大学商学部助教授および同イノベーション研究センター助教授などを経て、2010年から現職。専攻は競争戦略。

杉浦泰(すぎうら・ゆたか)
社史研究家。1990年生まれ、神戸大学大学院経営学研究科を修了後、みさき投資を経て、ウェブエンジニアとして勤務。そのかたわら、2011年から社史研究を開始。個人でウェブサイト「The社史」を運営している。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの



<ブログ内関連記事>




(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2022年7月22日金曜日

書評『カーネル・サンダース ー 65歳から世界的企業を興した伝説の男』(藤本隆一、文芸社文庫、2016)ー KFC は 65歳から始まった! 90歳まで「生涯現役」を貫いた起業家の人生

 

もっとも有名なアメリカ人といっていいだろう。カーネル・サンダースを知らない日本人はいないはずだ。 

日本中どこにでも立っているサンタクロースのような人形。すっかり日常の風景に溶け込んでしまっているので、とりたてて気がつくこともない存在。その人がアメリカ人であるということすら忘れているような存在。 

だから、カーネル・サンダースの本名が、ほんとうは何というのかなど、ふだん考えることもない。わたしもまた、その人がどんな人生を送った人だったのか考えたこともなかった。 

そんなとき目に飛び込んできたのが、この本の帯だ。大きな活字で記された「65」という数字。「ケンタッキー・フライド・チキンを65歳で創始した男の知られざる生涯」とある。 

この本の存在を amazon で知ったことで、がぜん興味がわいてきた。「65歳」は終わりではない、始まりなのだ、と。 

(1970年代のカーネル・サンダースは80歳代 Wikipediaより) 


さっそく『カーネル・サンダース 65歳から世界的企業を興した伝説の男』(藤本隆一、文芸社文庫、2016)を取り寄せて読んでみたが、じつにいい内容の本だった。おお、そうか、カーネル・サンダースは、そんな人だったのか!  


■カーネル・サンダースはこんな男だった

65歳でケンタッキー・フライド・チキンを創業したカーネル・サンダースだが、カーネル(Colonel)は本名ではない。「大佐」という意味の名誉称号だ。ここまでは知っていた。だが、本名ハーランド・デイヴィッド・サンダースの人生は、まさに波瀾万丈そのものであった。 

1890年に生まれて、6歳で父親を亡くしたことから始まった苦労多き人生。中学校を中退して14歳から始まった職業人生。 30歳までに、いったい何回転職したのかというほどだったが、1912年にスタンダード石油系のガソリンスタンド経営を始めて、ようやく腰を落ち着けることができた。

人に使われるのではない、一国一城の主としての人生が、かれには合っていたのだ。まずは、自分がどんな人間なのか知ることが大事なのだ。 

ところが、1929年に始まった「大恐慌」で、財産を失うことになった。外部環境の激変に飲み込まれたのだ。だが、捨てる神あれば拾う神あり。こんどはシェル系列のガソリンスタンド経営の道が開かれた。 

「他の人が喜ぶことを真心をこめ、一所懸命に働く」というサービス精神の徹底が成功をもたらす。ガソリンスタンドに併設した食堂が大繁盛、その後レストラン経営専業になって成功する。国道の分岐点という立地条件にめぐまれたおかげでもあった。 

ところが、49歳でふたたび逆境に。この頃にフライド・チキンのレシピを完成させたらしいが、レストランを火災で失ってしまったのだ。 

このピンチは、レストランの再建と大型化で乗り越えることができた。保険に入っていたからでもあるが、顧客からの熱い支持があったから、それに応えなければならないという使命感があったためである。 

レストラン経営は順調に進んだが、第2次世界大戦後の1950年代には、ふたたび外部環境の激震にさらされることになる。アイゼンハウワー大統領が打ち出した「ハイウェイ構想」(・・アル・ゴアの「情報ハイウェイ構想」は、これのネット版)によって、レストラン立地の優位性が失われてしまったのだ。 

国道沿いの立地は、かえって不利に働き客は激減、ついにはレストランを安値で手放すことになってしまったのだ。 このとき65歳、年金生活に入るかと考えたものの、毎月の年金はたったの105ドル! 

1956年とはいえ、いくらなんでもこれでは暮らしていけない。 そこで一念発起したのである。追い込まれた末にアイディアが思いついたのである。

そうだ、自分が開発して好評だたったフライド・チキン秘伝のレシピをレストランで採用してもらい、その使用料をいただくというのはどうか、と。 ここからが、ほんとうの始まりであった。




■65歳から人生が始まった

65歳で終わったかに見えた人生は、65歳から始まったのである。フランチャイズビジネスでの大成功となったのだ。 

もちろん、軌道に乗るまでは苦難の道のりであったことはいうまでもない。だが、65歳での転機がなかったなら、現在のケンタッキー・フライド・チキンはなかったのである。カーネル・サンダース人形が、日本中のいたるところに立っているなんてこともなかったのである。人間万事塞翁が馬である。 

逆境につぐ逆境を乗り越えた、七転び八起きのまさに多事多難な人生であったが、90歳で天寿を全うするまで働き尽くした一人の男の人生。ああ、そんな人生もあったのだ、と。まさに「生涯現役」を地で行くような一生であった。 

ケンタッキー・フライド・チキンが1970年に日本に進出して、すでに半世紀(!)以上もたっているが、元社長によれば、日本がもっともオリジナルレシピに忠実だとカーネル・サンダース自身のお墨付きを得ているのだそうだ。 

カーネル・サンダース人形の季節ごとの着せ替えはローカライズされていても、味はオリジナルに忠実。なるほど、そんなところに日本市場で完全に定着した秘密があるのだな、と。 

わたし自身は、そのオリジナルの味が正直いって好きではないのでほとんど食べないのだが、そういう趣味嗜好にかんすることは別にして、カーネル・サンダースの人生には大いに感じるものがあった。

65歳からが本当の人生なのだ、と。 




目 次
プロローグ 
第1章 転職を繰り返す半生
第2章 サンダース・カフェに寄らずに旅は終わらない
第3章 秘伝の調理法
第4章 65歳からの再出発
第5章 ケンタッキー・フライド・チキン
第6章 引退は考えない
カーネル・サンダース年表
エピローグ 大河原毅(元日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社代表取締役社長)インタビュー


著者プロフィール
藤本隆一(ふじもと・りゅういち)
1962年、神奈川県生まれ。


<参考資料>




The Decline of KFC...What Happened? (YouTube  Company Man, 2022年10月17日)
Fried Chicken Wars: The Fall of KFC in America(YouTube  MBA Moderna, 2022年10月10日)
・・海外展開が米国を上回る状況。米国内では競合激化などの理由で店舗数が減少傾向

・・賀来賢人演じるカーネル・サンダースがファニー

(2023年8月25日、10月1日 情報追加)


<ブログ内関連記事>



・・そういえば、アンドリュー・カーネギーも「65歳から」あらたに「慈善事業家」としての人生を開始したのだ。

・・米軍基地内にはマクドナルドはあるがKFSはなかった

(2022年7月25日 情報追加)


(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどう
ぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end

2020年11月28日土曜日

書評『反省記-ビル・ゲイツとともに成功をつかんだ僕が、ビジネスの“地獄で学んだこと』(西和彦、ダイヤモンド社、2020)-赤裸々な失敗経験から学ぶネガティブな感情の克服法

 

アスキーの西和彦といったら、とくにパソコンおたくではなくても(・・自分もそうではない)、バブル時代をビジネスパーソンとして過ごした人なら懐かしい名前だ。まだ現役なので懐かしいといったら失礼だろうが、あの時代はほんとすごかったのだ。西和彦氏の成功も、その転落ぶりもまたジェットコースターのようであった。 

「反省記」というタイトルは、もちろん「半生記」をもじったものだろうが、1956年生まれで現在64歳の著者が、猛スピードの成功と数多い失敗経験を包み隠さず書き記し、自分自身の反省と学び、そして読者の参考とすべく執筆したものだ。 

副題に「ビル・ゲイツとともに成功をつかんだ僕が、ビジネスの“地獄で学んだこと」には誇張も嘘偽りもない。まさに地獄であり、それも半端なものではまったくない。赤裸々な告白録であり、バブル時代とバブル崩壊後の日本について追体験しながら、著者の再生物語をいっしょに体験することになる。 

思うに、うまくやることだけが人生ではないのである。著者のように大金持ちになるチャンスをみすみす捨て去るのもまた人生だ。

ある意味、本人の業(ごう)のなすわざではあるが、ネガティブな感情をいかに克服するかの生きた事例でもある。 西和彦という人物に興味があればなおさら、なくても読む価値のある本だと思う次第。 




目 次
遭遇 萌芽 武器 船出 ゲリラ進撃 伝説 開拓 対決 未完 訣別 瓦解 暴落 ブラック 造反 屈辱 陥落 撤退 負け犬 再生

著者プロフィール
西和彦(にし・かずひこ)
株式会社アスキー創業者。東京大学大学院工学系研究科IoTメディアラボラトリーディレクター。1956年神戸市生まれ。早稲田大学理工学部中退。在学中の1977年にアスキー出版を設立。ビル・ゲイツ氏と意気投合して草創期のマイクロソフトに参画し、ボードメンバー兼技術担当副社長としてパソコン開発に活躍。しかし、半導体開発の是非などをめぐってビル・ゲイツ氏と対立、マイクロソフトを退社。帰国してアスキーの資料室専任「窓際」副社長となる。1987年、アスキー社長に就任。当時、史上最年少でアスキーを上場させる。しかし、資金難などの問題に直面。CSK創業者大川功氏の知遇を得、CSK・セガの出資を仰ぐとともに、アスキーはCSKの関連会社となる。その後、アスキー社長を退任し、CSK・セガの会長・社長秘書役を務めた。2002年、大川氏死去後、すべてのCSK・セガの役職から退任する。その後、米国マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員教授や国連大学高等研究所副所長、尚美学園大学芸術情報学部教授等を務め、現在、須磨学園学園長、東京大学大学院工学系研究科IoTメディアラボラトリーディレクターを務める。工学院大学大学院情報学専攻博士(情報学)。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


<ブログ内関連記事>



(2020年5月28日発売の拙著です)


 
(2019年4月27日発売の拙著です)



(2017年5月18日発売の拙著です)


   
(2012年7月3日発売の拙著です)

 





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end

2019年10月9日水曜日

書評『インドクリスタル』(篠田節子、角川書店、2014)-インドの闇の深さとがっぷり四つに取り組んだ重厚な大作


小説はあまり読まないのだが、この週末はひさびさに長編小説を読んだ。『インドクリスタル』(篠田節子、角川書店、2014)である。タイトルは、インドのクリスタル(水晶)。産業用素材として使用される、鉱物資源の水晶をめぐるビジネスものでもある。

「群盲象をなでる」というフレーズをすぐにも想起するのが「巨像インド」だが、聖俗の二面性が当たり前のように存在するインドの懐の深さ、混沌としたその闇の深さ、濃厚で悪魔的魅力といったものを、がっぷりと四つに取り組んで、余すことなく描ききった大作だ。国際ビジネス小説であり、はらはらさせるストーリー展開のスリラー小説でもある。

単行本の初版は、二段組みでぎっちり活字が詰まった540ページもあるが、構成がしっかりしていて、しかもディテールの描き込み方がすごいので、最後まで飽きることなく読める。そうとう調べに調べた上で書いているなあ、という感想。政治・経済・ビジネス、旧植民地支配者の英国もからむNGO、宗教、不可食賎民、先住民その他もろもろにわたっており、歴史も踏まえていて、日本人もインド人も個性的な登場人物の人物描写もすぐれている。

2014年の出版当時、インドビジネス関係者必読みたいなことが言われていたが、現在まで積ん読状態だった。読んでみて思うのは、出版から5年後の現在でも読む価値ありということだ。

インドはじつに複雑で捉えにくい存在だ。だが、この大作小説の作者は、複雑なものを複雑なまま受け止めるという姿勢の持ち主のようだ。けっして単純なストーリーに落とし込もうとせず、ストーリー自体にさらなるストーリーを展開させるという複雑な構成も、魅力的な(もちろん善悪両面にかんしてだ)登場人物の存在が軸になって読み進めることを可能にしている。

エンターテインメント小説ならではの娯楽性も備えたこの小説で、週末を大いに楽しませてもらった。


<ブログ内関連記事>

書評 『巨象インドの憂鬱-赤の回廊と宗教テロル-』(武藤友治、出帆新社、2010)-複雑きわまりないインドを、インドが抱える内政・外交上の諸問題から考察

書評 『インド 宗教の坩堝(るつぼ)』(武藤友治、勉誠出版、2005)-戦後インドについての「生き字引的」存在が宗教を軸に描く「分断と統一のインド」

書評 『グローバル・ジハード』(松本光弘、講談社、2008)-対テロリズム実務参考書であり、「ネットワーク組織論」としても読み応えあり

映画『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年、英国)-この感動の映画の主人公は現代インド社会ではマイノリティのムスリムだ

(2023年9月30日 情報追加)


(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!)

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end