「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2026 禁無断転載!



ラベル 北朝鮮 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 北朝鮮 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024年12月28日土曜日

書評『朝鮮半島の歴史 ― 政争と外患の600年』(新城道彦、新潮選書、2023)― 韓国の現在を理解するためには、遠回りだが歴史を見よ

 

 先日(2024年12月3日)のことだが、韓国で44年ぶりに実施された「戒厳令」、これは実質的に「大統領による上からのクーデター」であったが、あっけなく6時間で収束し、結果として失敗に終わった。だが、この後遺症は長く尾を引きそうだ。 

「クーデター」の是非は脇に置いておくが、短時間で収束した件にかんして、韓国の民主主義がすばらしいなど、この日本でも礼賛する声があがっている。だが、笑止千万と言わざるを得ない。現在の韓国の状況は、李朝時代の「党争」の現代版としかいいようがないからだ。 

経済学用語に「経路依存性」(path dependency)というものがある。歴史的に形成された民族の個性は、政治のあり方にも発揮されることを指しているが、朝鮮史の600年を振り返れば、朝鮮半島の現在も手に取るようにわかるというものだ。 

そこで、『朝鮮半島の歴史 ー 政争と外患の600年』(新城道彦、新潮選書、2023)を読むことにした。昨日、読了した。  

ようやくこのような、まともな朝鮮史が書かれるようになったか、というのが正直な感想だ。「政争と外患」という切り口で描いた朝鮮史は、朝鮮半島を理解するために、きわめて有用なものの見方である。 

本書は、李朝誕生の前後から、日本による侵略という「朝鮮の役」と「日韓併合」による植民地時代を経て、「分断」という形で<独立>を回復して以降の600年を通史として描いている。

このカッコ書きの<独立>というのがミソである。なぜなら、明朝から清朝にかけて中国の「冊封体制」のなかにあって「属国」でありつづけた朝鮮(半島)は、真に「独立」していたといえるのは「冊封体制」から解放され「大韓帝国」を名乗った1897年から「日韓併合」(1910年)までの短期間に過ぎないからだ。

朝鮮史を通史として読むと、正直いって面白い時代と、まったくもってつまらない時代で構成されていると言わざるを得ない。中国や日本など周辺諸国が「外患」としてダイレクトにからんだ時代は面白いが、後者の「外患」はないものの、政治的な党派党争に患わされた時代は読んでいてつまらないし、くだらない「党争」は読んでいてバカバカしくなってくる。 

秀吉による「朝鮮の役」による国土の荒廃、さらに女真族(=満洲族)が建てた清朝への屈服を経て、朝鮮半島は平衡状態に落ち着くことになる。 

だが、18世紀の朝鮮史は「日本の古代史」のようだ。19世紀後半になって、国王の外戚が政治を支配するようになるが、それでは王朝時代の「平安時代」と変わらない。18世紀半ばは、日本では徳川時代は吉宗の時代だ。「近代化」への道が始まった日本との差はあまりにも大きい。 

朝鮮半島がやっかいなのは、「外患」にわずらわされた時代にも「政争」が複雑にからんでいることにある。これは「半島」という地政学的な立ち位置からくるものだが、それにくわえて朱子学内の分派党争が政争を生み出しているからである。

さらに18世紀末以降は北京から入ってきた天主教(=カトリック)が絡んでくる。この点は、キリシタンが弾圧されていた日本との違いである。

朝鮮半島を中心に、東アジアの近代史を専攻する著者の本を読むのはこれがはじめてだ。朝鮮史をテーマにした本は多いが、そのなかでは、かなりまともな本である。 

偏ったイデオロギーに左右されることなく、日本人の立場から、あくまでも史実をベースに公平に朝鮮史を見ようとしている点に好感を感じる。朝鮮史は、北であれ南であれ、イデオロギーに左右される度合いがあまりにも大きすぎるからだ。 

それだけに、この本の執筆はなかなか大変だったのではないかと推測している。帯には推薦文が掲載されているが、読者からの反応としては、好意的なものだけでなく、批判も多いのではないかな、と。 

繰り返すが、「党争」にあけくれた朝鮮半島の18世紀は、まったくつまらないので、読んでいて苦痛以外のなにものでもない。だが、それ以外は面白い。

もちろん、日本人が読んで面白い時代というのは、当事者である朝鮮半島の住民にとっては、苦難以外のなにものでもなかったことは重々承知のうえでの感想であるが・・・ 


(画像をクリック!


目 次
はじめに 
第1章 朝鮮王朝の建国(王氏から李氏への易姓革命/支配基盤の整備/揺らぐ王権/熾烈な派閥争い) 
第2章 華夷秩序の崩壊と朝鮮の危機(日本の侵略/迫りくる女真族の脅威/清の侵略と朝鮮の属国化) 
第3章 終わりなき政争と沈みゆく王朝(蕩平策の功罪/勢道政治と相次ぐ民乱/大院君と閔氏の争い/朝鮮を開いた日本の挑発と清の勧告) 
第4章 清・日本・ロシアの狭間で(親日と親露の角逐/大韓帝国の成立/日本による韓国併合/抗日独立運動の諸相) 
第5章 朝鮮半島の分断(戦後の主導権争い/遠のく独立/国家樹立の理想と現実/朝鮮戦争の帰結) 
おわりに
あとがき
参考文献

著者プロフィール
新城道彦(しんじょう・みちひこ)
1978年、愛知県生まれ。九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程単位取得退学。博士(比較社会文化)。長崎県立大学非常勤講師、九州大学韓国研究センター助教、新潟大学大学院現代社会文化研究科助教などを経て、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻は東アジア近代史。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



<ブログ内関連記事>






(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2024年6月8日土曜日

シリーズ最新刊の『ロシア極東・シベリアを知るための70章(エリアスタディーズ203)』(服部倫卓/吉田睦編著、明石書店、2024)を手に取ってみて、 あらためて日本のロシア研究者の層の厚さに驚く


 
「ロシアNIS貿易会」(=旧 ロシア東欧貿易会)に勤務する友人から、最新刊の『ロシア極東・シベリアを知るための70章』(明石書店、2024)をいただいた。友人は執筆陣の一人である。

この最新刊で「エリア・シリーズ」は「203冊目」。すでにしっかりと市民権を得ている定番の地域研究シリーズである。わたしも何冊か所有しており、大いにお世話になってきた。

ところで、日本海側の京都府舞鶴市に生まれたわたしにとって、日本海をはさんで対岸にあるロシア極東や朝鮮半島は、けっして遠い隣国ではない。

「第2次世界大戦」の最後となった「日ソ戦争」における「シベリア抑留者」が戻ってきたのは舞鶴港であり、舞鶴市の姉妹都市はナホトカである。かつての格安旅行者はナホトカからシベリア鉄道で欧州に抜けていた。


間違いやすいのだが、日本人が「シベリア」だと思い込んでいる地域は、じつは「ロシア極東」(ダーリニー・ヴォストーク=極東)である。シベリアはその西隣だ。ウラル山脈までがユーラシアのアジア部分であり、西シベリアと東シベリアで構成されている広大な地域である。 

わたし自身、すでに20年以上前になるが、仕事で極東ロシアに行ったことがあるし(・・ウラジオストクやハバロフスクだけでなく、先日キム・ジョンウン氏も訪問したコムソモリスク・ナ・アムーレにも行っている)、四半世紀前の1999年には、シベリア鉄道でバイカル湖経由でシベリアからステップ地帯を経てモスクワまで行ったこともある。 

さて、本書は「ロシア極東・シベリア総覧」ともいってよい内容だ。 

目次は、「Ⅰ シベリア・極東の地理と自然」「Ⅱ シベリア・極東の歴史」「Ⅲ シベリア・極東の民族と文化」「Ⅳ 現代のシベリア・極東の諸問題」「Ⅴ シベリア・極東の諸地域」となっている。 

それにしても驚くのは、本書の執筆者が50人にも及んでいることだ。 編集作業の苦労がしのばれるだけでなく、日本のロシア研究者の層の厚さに驚く。

軍事が専門の小泉悠氏や、朝日新聞論説委員の駒木明義氏といった、メディアにもひんぱんに登場する著名人だけでない。自然科学から人文・社会科学まで、じつに幅広いのだ。 

友人によれば、編集作業は2年前にはほぼ完了していたが、ウクライナ戦争勃発のため出版が「塩漬け」になっていたという。まあたしかに、いまのこの時勢では、このテーマでは売れ行きは期待できないだろうなあ。

とはいえ、なんども繰り返すが「ロシア極東・シベリア」は、とくに近代以降の日本にとっては、さまざまな意味で深いかかわりをもってきた地域だ。認識の空白地帯にしてはいけないのである。出版する意義は大いにある。

わたしとしては、「ウクライナ戦争」ではウクライナに勝利してほしい気持ちは山々だが、今後どういう形で戦争が終結することになるのか、見通しはきわめて不明瞭である。

とはいいながら、戦争がいかなる結末になろうとも、大国ロシアも崩壊しない限り、極東ロシアとシベリア地域の存在によって日本の隣国であることには変わらない。 

平時であろうが有事であろうが、好きであろうが嫌いであろうが、隣国について知ることは必要不可欠である。

大東亜戦争時の「鬼畜米英」的なメンタリティに起因する「英語は適性言語」的な近視眼的な認識は、現実認識を誤らせることになる。それはロシアにかんしても同様だ。 


いかなる状況にあろうと、ロシア研究は必要なのである。とくに日本海をはさんだ対岸のロシア極東とシベリアにかんしては。 


画像をクリック!


<ブログ内関連記事>


***







(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2023年6月6日火曜日

「海上保安資料館横浜館」(横浜)で「北朝鮮工作船」の展示を見てきた(2023年6月6日)ー 現物のリアル感はハンパではない! 百聞は一見にしかず!

 
「海上保安資料館横浜館」(横浜)で「北朝鮮工作船」の展示を見てきた(2023年6月6日)。

北朝鮮の「不審船」が、海上保安庁の「巡視船」との激しい銃撃戦の末、自爆して懐中に沈んだ事件が発生したのは、2001年12月22日のことであった。すでに22年も前のことになるが、いまでもその映像記憶はナマナマしい。


事件当時は「不審船」と呼ばれたが、その後に正式に「工作船」とされた。自爆した船舶は国費で引き上げられ、その詳細が明らかになったからだ。

その引き上げられた船体は、現在では「海上保安資料館横浜館」(横浜)に保存され、無料で一般公開されている。国民の防衛意識を高めるための啓蒙目的からである。


(船尾から内部を見る 筆者撮影)

なんといっても、現物はリアルだ。塗装ははげ、錆による腐食が進行しているが、なんとか保存しようという強い執念が感じられる。すぐ近くに寄って見ることができるのは幸いだ。


(船腹には弾痕が残っている 筆者撮影)



このほか、工作船の装備品も展示されている。マシンガンなどもあり、銃撃戦がいかに激しいものであったか、手に取るようにわかるのだ。



ようやく念願かなって現地で見ることができた北朝鮮の「工作船」。いつまで保存され展示が続けられるのかわからないが、機会をつくってぜひ見学すべきである。



<関連記事>


(項目新設  2025年1月24日)


<ブログ内関連記事>

・・ビキニ環礁で被爆した「第五福竜丸」が展示されている。展示の仕方もそっくりだ



(2022年12月23日発売の拙著です)

(2022年6月24日発売の拙著です)

(2021年11月19日発売の拙著です)


(2021年10月22日発売の拙著です)

 
 (2020年12月18日発売の拙著です)


(2020年5月28日発売の拙著です)


 
(2019年4月27日発売の拙著です)



(2017年5月18日発売の拙著です)

(2012年7月3日発売の拙著です)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end

2022年7月12日火曜日

書評『アメリカの制裁外交』(杉田弘毅、岩波新書、2020)― 経済制裁のなかでも金融制裁は最強だが・・・

 

 2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ軍事侵攻。米国が主導してロシアに対する経済制裁が実行されることになった。 

それから4ヶ月がすでに経過したが、はたして経済制裁に効果がでているのかどうか、よくわからない。 今年の夏には効果がでてくるはずだという見解もあれば、ロシア国民は忍耐力が強いから効果はでないだろうなど、見解はさまざまだ。効果測定が難しいのもその理由の一つである。 

米国による経済制裁について知るために、『アメリカの制裁外交』(杉田弘毅、岩波新書、2020)読んだ。先月終わりのことだ。

この本を読むと、今回2022年のロシアに対する経済制裁に至る前史米国による経済制裁の概要を知ることができる。 

さかのぼれば、100年以上前の1917年の「敵国通商法」に始まり、現在に至るまで米国は「血を流さない戦争」として経済制裁を多用してきた。 

かつては「貿易制裁」が中心であったが、モノの輸出入にかんしては密貿易や第三国経由の迂回貿易などの抜け穴が多い。これは北朝鮮に対する制裁を考えれば容易に理解できることだ。 

(米国の制裁外交と根拠法 『アメリカの制裁外交』より)

そこで、とくに2000年代に入ってからは「金融制裁」が中心になってきた。決済にかかわるカネのやりとりを押さえることで、対象国の息の根を止めてしまうのだ。著者の表現にしたがえば「死刑宣告」である。基軸通貨である米ドルを発行する米国ならではの制裁方法である。 

本書では、2001年の「9・11テロ」核開発を行う北朝鮮とイラン2014年にクリミアとウクライナ東部を支配下においたロシアに対する経済制裁とその効果について解説されている。 

ところが、経済制裁、とくに金融制裁には問題も多い。 あまりに乱用され気味であること、政権交代による一貫性の欠如制裁対象国の一般市民の生活を苦しめてしまうこと、などなどだ。

制裁によって得た巨額の罰金の使途についての問題や、制裁対象とされた個人が冤罪であるケースが多々あることなどである。 

金融制裁の「意図せざる結果」として、米ドル支配の揺らぎを招いていることも指摘されている。今回のロシアに対する金融制裁においても、かえって中国の人民元の世界の拡大を招きかねないのではないか。 

もちろん、いますぐ米ドルが人民元にとって代わられることはないとはいえ、中長期的にみたら米ドルの弱体化は避けられない流れといってよさそうだ。 

著者の杉田氏は共同通信の記者で、ワシントン支局長を務める前に、イランのテヘラン支局長を歴任している。しかも、大学時代に国際法を勉強している。こういう経歴が「複眼的な見方」を可能にしているのだろう。 

新書本だが、充実した内容で読み応えのある本だった。国際情勢を理解するための基本書として読んでおきたい1冊だ。 


画像をクリック!


目 次
はじめに 
第1部 司直の長い腕 
 第1章 孟晩舟はなぜ逮捕されたのか 
 第2章 経済制裁とその歴史 
第2部 アメリカ制裁の最前 
 第3章 米制裁を変えた9・11ーテロ 
 第4章 マカオ発の激震ー北朝
 第5章 原油輸出をゼロにーイラン 
 第6章 地政学変えたクリミア制裁ーロシア 
第3部 制裁の闇 
 第7章 巨額の罰金はどこへ
 第8章 冤罪の恐怖
 第9章 米法はなぜ外国を縛るのか
第4部 金融制裁乱用のトランプ政権
 第10章 制裁に効果はあるのか
 第11章 基軸通貨ドルの行方
あとがきー 覇権の行方


著者プロフィール
杉田弘毅(すぎた・ひろき)
1957年生まれ。国際ジャーナリスト。一橋大学法学部卒業後、共同通信入社。テヘラン支局長、ニューヨーク特派員、ワシントン特派員、同支局長、編集委員室長、論説委員長をへて、現在、共同通信特別編集委員。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



<ブログ内関連記事>


・・戦前の日本がアメリカの虎の尾を踏んでアメリカの「金融制裁」によって経済的に窒息し、米ドルを媒介としない「円元パー」という円通貨圏をつくったものの運営に失敗し国民経済が窮乏化したこと、そしてこの延長線上に大東亜戦争開戦があったこと


(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどう
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end

2019年2月27日水曜日

なぜ北朝鮮のキム・ジョンウン氏は、列車でピョンヤンから中越国境を越えてそのままベトナムに入ることができるのか?-鉄道のゲージに注目せよ !

(BBC日本語版 2019年2月27日よりキャプチャ)

北朝鮮の指導者であった先代のキム・ジョンイル(=金正日)氏が、ピョンヤンからシベリア鉄道でモスクワまで往復したことを記憶している人も少なくないと思う。2000年代の初めのことだ。 

三代目のキム・ジョンウン氏が、今回の米朝会談のためにベトナムの首都ハノイに本日(2019年2月26日)、列車でピョンヤンから直行したことで、先代の事例を想起した人も少なくないと思う。

 なぜキム・ジョンウン氏は、列車でピョンヤンからそのままベトナムに入れることができるのか? 

その秘密はゲージにある。ゲージ(gauge)とは、レールとレールのあいだの幅のことだ。

北朝鮮の列車は、そのまま中国のレールを走ることができる。中国も北朝鮮も「標準軌」(1,435mm)(*)だからだ。 だが、ベトナムのゲージは「狭軌」(1,000mm)である。常識的に考えれば、中越国境で列車を降車し、乗り換える必要に迫られると考えるのが普通だろう。 

(*)PSを参照



(FNN 2019年2月18日 よりキャプチャ)

だが、今回のハノイ行では、専用列車はそのままピョンヤンから来て、ベトナムに入境している。つまり、中越国境近辺はゲージが同一だということだ。

そうでなければ、列車はそのままでも、台車を交換する必要がある。中ロ国境(満洲里/ザバイカルスク)にはその設備がある。 ちなみにロシアは「広軌」(1,520mm)なので、中国からロシアにはそのままで抜けることはできない

実を言うと、ベトナム北部の中越国境付近では、レールは秋田新幹線方式で3本敷かれているのだ。いわゆる「三線軌条」である。3本レールなので、「狭軌」のベトナム鉄道と「標準軌」の中国鉄道がおなじ線路を走ることができるわけだ。 


(中越国境付近のランソンにて「三線軌条」 筆者撮影)

写真は、キム・ジョンウン氏に先を越して、わたしが何年も前に陸路で国境を越えて中越国境付近のランソンにいった際に撮影したもの。今回のベトナム入りの映像をよくご覧になっていただくとわかると思うが、中越国境ランソン省のドンダン駅では「三線軌条」になっている。 

ベトナム戦争後の中越戦争(1979年)では、中国人民解放軍がベトナムに攻め込んだが、撃退されている。ところが、平時には二国間貿易が盛んである。ベトナムの中国の関係は、なかなかしたたかなものがあるのだ。「三線軌条」のままであるのはそのためだ。 

キム・ジョンウン氏一行は、ドンダン駅からは専用車でハノイに入った。 


PS ロシアは「広軌」、中国と北朝鮮は「標準軌」、ベトナムは「狭軌」

読者からご指摘があり、厳密にいえば、中国と北朝鮮は「広軌」ではなく「標準軌」でした。ご指摘に従って、本文を修正いたしました。この場を借りてお礼申し上げます。(2019年3月7日)







<関連サイト>

ハノイ米朝会談、なぜ金正恩は何千キロもの「鉄道旅」を選んだ?(Newsweek日本版 2019年2月28日)
・・「金委員長がベトナム入りした際の機関車は赤と黄色の「東風4型」で、23日に北朝鮮から中国に入った際に使用されていた11Z型よりも旧式(・・中略・・)金委員長の特別列車は武装されているとされる・・」

金正恩「ベトナム行き列車」 スナイパー同乗でカラオケ完備 (2019年3月3日 NEWSポストセブン)
・・いわゆる「装甲列車」である

(2019年3月4日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

「湯島聖堂」に久々に立ち寄ってみた(2019年1月3日)-だが日本は明治時代になるまで「科挙」の影響を受けていないのである
・・ベトナムも朝鮮も中国文明の影響圏にあり、ともに儒教にもとづく科挙を実施していた

書評 『日本人は爆発しなければならない-復刻増補 日本列島文化論-』(対話 岡本太郎・泉 靖一、ミュゼ、2000)
・・ベトナムと朝鮮をともに視野に入れることで、おなじ中華文明圏にあったとはいえ、日本の独自性が明らかになる






(2017年5月18日発売の拙著です)


   

(2012年7月3日発売の拙著です)







Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end