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2020年3月30日月曜日

映画『復活の日』(1980年、日本)を初めて見た-生物兵器と核兵器で2度滅亡した人類の「復活の日」

(画像をスマホでキャプチャ 以下同様)

アマゾンの prime video に『復活の日』があったので、はじめて視聴してみた。2時間36分。
   
1980年の角川映画。いまからもう40年前!の映画か。たぶん当時は大学受験勉強中だったためだろう、この映画の存在も知らなかったように思う。まったく記憶にないのだ。

原作は『日本沈没』で有名な小松左京のSF作品。中学生の頃、ベストセラーになって社会現象となったいたことを覚えている。『日本沈没』は読んだ記憶がある。だが、『復活の日』のほうがSF作品としては古いのだな。原作は読んでないが、1964年の発表らしい。



こんなストーリーだ。米軍が開発したウイルスによる生物兵器が何者かによって盗み出されて漏洩、これが原因となって原因不明の感染が拡大。しかも、いちばん最初に感染が爆発したのがイタリアのミラノというのが、今回の新型コロナウイルスとよく似ており、偶然とはいえ不思議な感さえある。謎の肺炎は「イタリアかぜ」と名づけられ、全世界に感染が拡大していく。



次々と起こる医療崩壊。そして、感染拡大はとどまるところなく、全世界がほぼ滅亡。残ったのは、たまたま寒冷地の南極基地にいた各国の人間と、潜水艦の乗組員などのみ。南極基地には2年分の食糧があるので、残された男性たちと圧倒的に少数の女性たちだけが生き残ることになる。

米ソ冷戦時代ということもあり、生物兵器だけでなく、核兵器も炸裂し人類は2度絶滅するという、なんとも救いのない設定だ。もちろん、「復活の日」というタイトルなので、最後に救いらしきものはあるのだが・・・




日本映画なのだがセリフのほとんどが英語で(日本人のセリフもかなりの部分が英語)、キャスティングもほとんどが外国人。出版業以外に多角化した事業でブイブイ言わせていた頃の角川春樹は、こんな映画を制作していたのだなあという感慨。興味のある人は、見たら面白いと思う。

設定自体は妙にリアリティがあるが、なんせ40年前の作品なので、妙に古くさい気がしなくもない。まあ、これだけテクノロジーの発展スピードが速い時代に生きていると、それはそれで仕方がないかな、と。



 

<関連サイト>

小松左京はなぜ『復活の日』を書いたのか(デイリーBOOKウォッチ 2020年4月10日)

(2020年4月17日 項目新設)


<ブログ内関連記事>

書評 『人類が絶滅する6のシナリオ』(フレッド・グテル、夏目大訳、河出文庫、2017)-人類滅亡シナリオの第1位は「スーパーウイルス」だ!

「サリン事件」から25年(2020年3月20日)ー「生物化学兵器によるテロ」という観点から、いまこそ振り返る必要がある!

映画 『猿の惑星』の原作は、波乱万丈の前半生を東南アジアで送ったフランスの作家が1963年に発表したSFである

書評 『人間にとって科学とはなにか』(湯川秀樹・梅棹忠夫、中公クラシック、2012 初版 1967)-「問い」そのものに意味がある骨太の科学論

梅棹忠夫の幻の名著 『世界の歴史 25 人類の未来』 (河出書房、未刊) の目次をみながら考える
・・「梅棹忠夫は、「科学や知的探求は、人間の業(ごう)であるから制御できない」という意味の発言を1970年の時点でしていたという。(・・中略・・)思えば、1970年頃は梅棹忠夫のような発言はけっして異様ではなかった。当時でたローマクラブによる暗い未来図など、進歩がうたわれる反面でかなり暗い未来図が提示されていた時代であった」

書評 『梅棹忠夫の「人類の未来」-暗黒の彼方の光明-』(梅棹忠夫、小長谷有紀=編、勉誠出版、2012)-ETV特集を見た方も見逃した方もぜひ
・・「1970年前後というのは「未来学」がブームになっていた頃である。その未来学をリードしたのが梅棹忠夫や小松左京といった人たちだ」

(2020年4月1日 情報追加)


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2020年3月21日土曜日

「サリン事件」から25年(2020年3月20日)―「生物化学兵器によるテロ」という観点から、いまこそ振り返る必要がある!



オウム真理教による「サリン事件というテロ」が発生してから25年たった。昨日(3月20日)がその当日だ。

25年とは、言い換えれば四半世紀ということになる。もうずいぶん昔のような気がしなくもないが、自分のなかでは事件の記憶が風化したわけでも、不鮮明になっているわけではない。

事件を直接体験したわけではないが、間接的に経験している。というのも、当日の朝に通勤のため乗車していた東京メトロ丸ノ内線が、アナウンスもいっさいないまま霞ヶ関駅を通過したからだ。

「爆弾テロ発生か!」と瞬時に頭に浮かんだことを記憶している。当時勤務していた会社に着いてから、それが「毒物の散布によるテロ」だと知ったのである。だんだんと実態がわかるにつれ、騒然となってきたのである。未曾有の被害をもたらしたテロ事件となったのである。

『サリン事件の真実』(アンソニー・トゥー、新風舎文庫、2005)を読んだ。毒物研究の世界的権威で、台湾出身でコロラド州立大学名誉教授のアンソニー・トゥー(杜祖健)氏が日本語で書いた回想だ。教授は、サリンの解析にかんして日本の警察に全面的に協力したことで、知る人ぞ知る存在でもある。

なぜいまこんな本を読むのかというと、今回の新型コロナウイルスが生物兵器である可能性が完全に否定できないからだ。どうも、武漢にある人民解放軍の生物兵器研究所から、なんらかの理由で外部に漏出したのではないかという疑惑が否定しきれないのだ。

サリンは化学兵器であるが、毒物という点においてはウイルスをつかった生物兵器と共通するものがある。トゥー教授は、この本のなかで、注目されることがなかったがオウム真理教が1993年に亀戸で実行した炭疽菌テロ(未遂)についても注意喚起している。

新型コロナウイルスの生物兵器説は、限りなく陰謀説に近いという印象がぬぐえないが、それでも可能性を完全に否定することもまたできない。炭疽菌テロが実行に移されたのは、2001年の「9・11」後の米国のことだが、生物化学兵器によるテロという観点からサリン事件を振り返る必要があるのだ。

けっして、忘れてしまってもいい過去の事件ではないのである。


(画像をクリック!)




<関連サイト>

「日本は手遅れ」生物兵器の世界的権威が断じる理由-日本は急げ、「対外情報収集力向上」と「隔離船病院の導入」(JBPress、吉村剛史、2020年3月9日)
・・「杜祖健(と・そけん)氏(89)=英語名アンソニー・トゥー氏は、諸状況からみて「武漢の病毒研究所で研究、培養していた新型ウイルスが何らかの不手際から外部に漏れたというのが一番適当な説明だろう」と推測。日本の初期対応については「すでに手遅れ」と断じた。

(2020年3月23日 項目新設)



<ブログ内関連記事>

20年前の「地下鉄サリン事件」(1995年3月20日)という未曾有のテロ事件、その日の朝わたしが乗車していた丸ノ内線は・・・

『サリンとおはぎ-扉は開くまで叩き続けろ-』(さかはら あつし、講談社、2010)-「自分史」で自分を発見するということ

書評 『1995年』(速水健朗、ちくま新書、2013)-いまから18年前の1995年、「終わりの始まり」の年のことをあなたは細かく覚えてますか?

書評 『スイス探訪-したたかなスイス人のしなやかな生き方-』(國松孝次、角川文庫、2006 単行本初版 2003)-柔軟でバランスのとれた内容のスイス案内
・・未解決のまま迷宮入りしている「警視庁長官狙撃事件」の当事者

書評 『オウム真理教の精神史-ロマン主義・全体主義・原理主義-』(大田俊寛、春秋社、2011)-「近代の闇」は20世紀末の日本でオウム真理教というカルト集団に流れ込んだ

書評 『731-石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く-』(青木冨貴子、新潮文庫、2008 単行本初版 2005)-米ソ両大国も絡まった "知られざる激しい情報戦" を解読するノンフィクション


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