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2023年12月29日金曜日

書評『人類学と骨 ― 日本人ルーツ探しの学説史』(楊海英、岩波書店、2023)― 「旧植民地」出身という「他者の視線」による「日本の形質人類学」の「学説史」から見えてくるもの

 

『人類学と骨 ー 日本人ルーツ探しの学説史』(楊海英、岩波書店、2023)を読了。今週のはじめ(2023年12月25日)にでたばかりの新刊書である。

テーマに対する関心だけでなく、著者にしては意外(?)な感のあるテーマだったので、さっそく読むことにした次第だ。

ちょうどタイミングのいいことに『人類の起源 ー 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』(篠田謙一、中公新書、2022)を読んだばかりだったので、ゲノム解析以前の方法、つまり人骨の計測を主に行っていた「形質人類学」の歩みをトレースできたことになる。



■近代日本の「形質人類学」の特徴

本書は、「旧植民地」出身の「文化人類学者」による、近代日本の「人類学」、とくに「形質人類学」の「学説史」である。

「学説史」といっても、無味乾燥なものではない。しかも、狭い意味の専門分野の「内側からの視点」ではない。日本語で書かれたものであるとはいえ、「日本国民」である著者の立ち位置は、「日本人」のマジョリティとは異なる

「人類学」とは、人類の特徴をつかもうとする学問だ。狭い意味の人類学、もっぱら人骨の計測をもとに分析を行う「形質人類学」は基本的に自然科学に属するものであり、研究者の所属先としては医学部であることも少なくない。

「人類学」は、16世紀に始まる「第1次グローバリゼーション」を機に、地球全体に進出しをはじめた西欧人によって、全世界に植民地を拡大しくプロセスのなかで生まれてきた学問だ。

自分たちとは異なる色の皮膚をもち、異なる言語と生活習慣をもつ人びとに対する旺盛な好奇心から始まった人類学だが、効果的かつ効率的に植民地を経営するための基礎学問として、「第2次グローバリゼーション」以降の19世紀に活発化したものだ。

ここから生まれてきたのが「人種」という概念である。黒人だけでなく、黄色人種なる概念が生み出され、かれらを劣った存在とみなすことで白人の優越感が満足されることになる。

この人種概念が、ユダヤ人差別と結びついて20世紀前半のナチスの暴虐に至ったことは、けっして過ぎ去った過去の話ではない。ゲノム分析によって自然科学の分野では「人種」概念が過去のものとなっているのにもかかわらず、「人種」概念がヘイトを生み出す源泉になっているからだ。

西欧には約40年の格差のもとに近代世界に参入した日本は、キャッチアップのために西欧近代化を積極的に推進した。人類学だけでなく、植民地獲得もまたそれにならったものであり、植民地拡大によって、「人類学」の研究フィールドもまた拡大する。

方法論を西欧に学んだ日本の「人類学」の特徴は、研究の主要目的が「日本人の起源」を探ることに置かれたことにある。その探求は、日本列島の北にある北海道のアイヌ、南にある沖縄、そして植民地拡大にともない、台湾から朝鮮、そして満洲へと研究フィールドが拡大していった。

つまり日本の「人類学」は、植民地拡大によって「帝国」化した、近代日本の歴史そのものなのである。



■「旧植民地」出身で「調査される側」という「他者の視線」から見えてくるもの

著者は、日本に帰化した「日本国民」であるとはいえ、南モンゴルのオルドスの出身のモンゴル人であり、ユーラシア大陸に生まれ育った「大陸人」である。

したがって、日本で生まれ育った「島国の人間」とは感覚が違う。現在は国境があるので移動は容易ではないが、大陸の人間は陸路での移動が可能であった。この点が重要だ。「日本の人類学」の歴史を見る視点も、おのずから異なるものとなるのは当然である。

それだけだけでなく、「旧植民地」の出身者として、著者は「調査される側」の視点をもっている。つまり、二重の意味で「他者」の視線をもっていることになる。

だからこそ、日本人が無意識のうちにもっている、「日本人の起源」を知りたいというバイアスから免れているのであり、「日本人の起源」を探ることを主目的としてきた人類学の歴史を距離をおいて見つめることができるわけだ。

とくに重点的に取り上げられているのが、鳥居龍蔵と江上波夫である。いずれも満洲でフィールドワークを行った人類学者であるが、この2人の突出した研究者の共通点と相違点が興味深い。

著者は、鳥居龍蔵(1870~1953)には好意的な評価を示している。現在すでに失われているモンゴル人の生活習慣を記録した鳥居龍蔵の著作は貴重な内容だが、いまなお中国では中国語訳が許可されていないという。人類学が意図せずにもっている、ある種の政治性のためである。

著者は、かつて一世を風靡した「騎馬民族征服説」で有名な江上波夫(1906~2002)とは面識をもっていたというが、評価すべき点は認めながらも、批判すべきところは批判している。

批判すべき点とは、満洲での研究材料としての人骨収集にかんしてのものだ。江上波夫らの行った人骨収集は、限りなく盗掘に近いものだ。墓荒しといっても言い過ぎではない。



■人類学が抱える倫理的問題。学術目的ならすべてが許されるのか?

日本の人類学者は、「旧宗主国」として「旧植民地」で行った行為について自覚し、その倫理的な意味を理解する必要がある。日本国内であってもそれはおなじだ。研究目的で収集した人骨の返却は必要不可欠である。 

「人骨」というと科学研究の対象としての客観的響きしかないが、これを「お骨」や「遺骨」と言い換えたなら、人間の感情がかかわってくる問題だということが日本人なら理解できるはずだ。

誰だって、家族の墓を荒らされて「お骨」が学術研究の名目のもとに持ち去られ、しかも大学の研究室に「ブツ」として展示されていることを知れば、心穏やかではないだろう。戦地に残されたまま、いまだ故国に帰ることのできない「遺骨」の問題もまたおなじだ。

他者の痛みを感じて共感することが必要ではないか。想像力と共感の範囲を拡げなくてはならない。

「人類の起源」の探求において、現在では主流ではなくなった「形質人類学」であるが、ゲノム解析に使用される資料が人骨から得られる以上、人骨との関係がなくなったわけではない

研究のために収集した人骨の扱いにかんする倫理的問題。この問題が、日本の人類学に突きつけられている。

「日本人の起源」にかんする関心が日本人からなくなることはないだろう。だが、その研究に付随して発生する問題について、研究者ではない一般人も自覚的になることが必要なのだ。

そのことを本書『人類学と骨 ー 日本人ルーツ探しの学説史』によって教えられることになった。他者の視線によって「常識」を疑うことが、いかに重要なことであることか。その意味では、得がたい読書体験となった。





目 次
凡例
序章 人類学はなぜ骨を求めたか 白熱する日本人のル-ツ探し
第1章 遊牧民と骨 ー オルドスの沙漠に埋もれる人骨と化石
第2章 アイヌ、琉球から始まった人骨収集 ー 日本の古住民を求めて
第3章 台湾、モンゴルからシベリアへ ー 鳥居龍蔵の視線
第4章 江上波夫のモンゴル ー 騎馬民族征服王朝説の淵源
第5章 人類学者は草原で何を見たか ー 帝国日本の「モンゴロイド」研究
第6章 ウイグル,そして満洲へ ー 少数民族地域のミイラと頭蓋骨
終章 ビッグデータとしての骨 研究と倫理の狭間で
参考文献
謝辞
索引


著者プロフィール
楊海英(よう・かいえい)
静岡大学人文社会科学部教授。南モンゴルのオルドス生。モンゴル名はオーノス・ツォクト、帰化後の日本名は大野旭。楊海英は学術上のペンネーム。
北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。1989年3月来日。国立民族学博物館・総合研究大学院大学博士課程修了。博士(文学)。著書に『墓標なき草原ー内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2010年度司馬遼太郎賞受賞)『中国とモンゴルのはざまで ー ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(以上、岩波書店)のほか、『日本陸軍とモンゴル ー 興安軍官学校の知られざる戦い』(中公新書)、『逆転の大中国史 ー ユーラシアの視点から』(文春文庫)、『羊と長城 ー 草原と大地の<百年>民族誌』(風響社)など多数。(出版社サイトの記述に加筆修正)。



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■「遺骨」をめぐる問題

・・いまだ硫黄島に眠り続ける遺骨


■「人種」理論の問題




■楊海英氏の諸著作



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2022年6月18日土曜日

書評『ロシアの興亡』(河東哲夫、MdN新書、2022)ー「ロシア」を理解したいならこの1冊ともいうべき本

 
 『ロシアの興亡』(河東哲夫、MdN新書、2022)が出版されたので、さっそく読んでみた。今週はじめのことだ。  

ソ連崩壊を予測して現地で体験、最終的にカザフスタン大使を歴任した元外交官で、ロシア通の著者によるロシア本。ロシア語で大河小説を書いて、ロシアで出版した経験の持ち主でもある。 

「ロシア」を理解したいなら、この1冊といっていいだろう。 「ロシア」とカッコ書きで記したのは、いまある現在のロシアだけを見ていては、その全体像が理解できないからだ。

読み出してから知ったが、この本はもともと『ロシア皆伝』というタイトルで2015年に出版された新書の全面改訂版である。どうりで、政治経済と外交から、文学を含めた芸術まですべてをカバーした、凝縮された内容になっているわけだ。 

「ウクライナ戦争」の勃発を踏まえて、あらたに書かれた「はじめに」から、キーワードを含んだフレーズを引きだしておこう。結論ともいえる内容がこれだ。 

 ロシアはいま、歴史の岐路にある。(・・中略・・)中央権力の弱体化がまた露わになるかもしれない。そうなると、ロシア政治の重要な変数であるところの「地方の動き」が問題になってくる。(・・中略・・)中国、インドなどは当面、ロシアを守っているが、ロシアが沈んでいくにつれて、見放していくだろう。(・・中略・・)工業化に遅れ、石油・ガス収入を分け合うだけの社会を、締め付けで維持。それを批判する西側に逆切れしての破れかぶれの愛国主義。周囲は武力で従えようとする。(・・中略・・)自由と民主主義、そして市場経済をベースとする、近代文明の世界に加わる機会を失ったのだ。(・・中略・・) ロシアの歴史は、だから苦難の繰り返し。なかなか進歩しない。ロシアは興亡を繰り返し、「近代」の手前で足踏みを続ける。 

ここでいう「興亡」とは、領土という観点でいえば、拡張と収縮の繰り返しということだ。

これは、そもそもの主発点であるルーシから、13世紀のモンゴルによる支配と、東方正教会の盟主としてビザンツ帝国(=東ローマ帝国)を継承するとして16世紀に名乗った「第3のローマ」17世紀以降の世界史への遅れた登場というロシア史をひもとけば明らかなことだ。 

ロシアは、西欧や日本のような「ネーション・ステート」(=国民国家、民族国家)ではない。本質的に「帝国」なのである。多民族で多宗教の状態。 獲得した領土は、意外なことに、あっけなく手放しもする。「帝国」だからだ。著者の指摘は鋭い。

20世紀以降に限っても、ソ連誕生時点には縮小、第2次世界大戦で拡張、ソ連解体時には縮小と、70年間のあいだだけでも「拡張と収縮」を経験している。 

21世紀の現在、ロシアは間違いなく「衰退過程」にある。みずから引き起こした「ウクライナ戦争」は、それを加速させることなった。自業自得としかいいようがない。 

したがって、さらなる解体と縮小は、歴史を踏まえて考えれば、当然ありうべきことだといって間違いないだろう。 

著者は、この本をこう締めくくっている。「この本は、「ロシア」という存在へ最後の頌歌(しょうか)なのだ」、と。

帯カバーには「プーチン帝国は崩壊する」というキャッチコピーが記されている。だが、著者はこの本では「解体後のロシア」について直接触れていない。読者それぞれが考えるべき応用問題である。 




目 次
はじめに 
第1章 ウクライナ侵略戦争で一変したロシアと世界
第2章 ロシアの興亡ーその面貌
第3章 歴史のトラウマー栄光と悲惨
第4章 異形のロシア経済ー停滞と格差の構造
第5章 ロシア人の実相ー欲望と渇望のシンフォニー
第6章 プーチン政権の内奥ーロシア政治の深層
第7章 ロシアの外交ーその無力、その底力
第8章 日露関係ーすれ違いの200年


著者プロフィール
河東哲夫(かわとう・あきお)
外交評論家/作家。1947年東京生まれ。東京大学教養学部卒業後、1970年外務省入省。ハーバード大学大学院ソ連研究センター、モスクワ大学文学部に留学。外務省東欧課長、文化交流部審議官、在ボストン総領事、在ロシア大使館公使、在ウズベキスタン兼タジキスタン全権大使を歴任。2004年外務省退官。日本政策投資銀行設備投資研究所上席主任研究員を経て、評論活動を始める。東京大学客員教授、早稲田大学客員教授、東京財団上席研究員など歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)。


<ブログ内関連記事>

書評『プーチンとロシア革命-百年の蹉跌』(遠藤良介、河出書房新社、2018)-「上からの改革」は機能不全。プーチンは「ロシア革命」の再来を恐れている


 

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2019年10月8日火曜日

JBPressの連載コラム第62回は、「悲惨なインパール作戦、インドからはどう見えるのか ― 「形を変えて」インド独立につながっていた」(2019年10月8日)

(チャンドラ・ボースと「インド国民軍」(INA)(1964年インド発行の記念切手) Wikipediaより)


JBPressの連載コラム第62回は、悲惨なインパール作戦、インドからはどう見えるのか- 「形を変えて」インド独立につながっていた(2019年10月8日)

⇒ https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57816

「インパール作戦」について考えていると、正直いって「ノモンハン事件」以上に気が滅入ってくる

無謀で杜撰な作戦であっただけでなく、戦闘停止命令が出され、撤退が始まってからがさらに悲惨なものとなった。ジャングルの熱帯性疫病による病死者や食糧不足による餓死者が続出し、生きながら放置された兵士の肉体からはウジが湧き、街道沿いに放置された遺体は回収されることもなく白骨と化していった・・・

しかしながら、きわめて多くの犠牲者を出し悲惨な結果に終わったとはいえ、インパール作戦をまったく無意味だったと言い切ってしまうこともできない。「インド独立」という観点からは異なる側面が見てくるからだ。 

インド独立の指導者といえば、まずガンディーが想起されることだろう。だが、インド独立は非暴力だけから生まれたのではない。最終局面においては暴力による実力行使がなされたのである。そして、その指導者こそ、日本とも縁の深いチャンドラ・ボースであった。


(ガンディーとボース(1938年) Wikipediaより)

インパール作戦の日本史における位置づけと、インド史および世界史における位置づけにはズレが生じているのである。この点は、前回取り上げたシンガポール陥落と同様であり、その延長線で考えてみる必要がある。 

つづきは、本文にて ⇒ https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57816 

インパール作戦についても、大東亜戦争全般についても、またインド独立についても、新たな視点を得ることができるでしょう。複眼的な視点が重要なのです。 







<関連サイト>


Netaji Subhas Chandra Bose: The Forgotten Hero | (YouTube full version)
⇒ 2004年制作公開のインド
映画。『ボース:忘れられた英雄』(音声はヒンディー語と英語。ただし字幕なし)


<ブログ内関連記事>

書評 『巨象インドの憂鬱-赤の回廊と宗教テロル-』(武藤友治、出帆新社、2010)-複雑きわまりないインドを、インドが抱える内政・外交上の諸問題から考察

JBPress連載第6回目のタイトルは、「独立から70年!いよいよ始まるインドの時代-舞台はインド、日英米はさらに密接な関係に」(2017年8月15日)

JBPress連載第8回目のタイトルは、「ダイアナ元妃とマザー・テレサの名前の秘密-名前はプロファイリング情報のかたまり」(2017年9月12日)

JBPressの連載コラム第61回は、「悪魔か神様か? 参謀・辻政信の惨敗と圧勝-ノモンハン事件とマレー作戦、歴史は単眼では語れない」(2019年9月24日)

JBPressの連載コラム第60回は、「悲壮な肉弾戦で惨敗、「ノモンハン事件」の教訓とは-日本を破滅に導いた国境紛争、連続した世界を生きている私たち」(2019年9月10日)


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2019年9月24日火曜日

JBPressの連載コラム第61回は、「悪魔か神様か? 参謀・辻政信の惨敗と圧勝 ― ノモンハン事件とマレー作戦、歴史は単眼では語れない」(2019年9月24日)




JBPressの連載コラム第61回は、悪魔か神様か? 参謀・辻政信の惨敗と圧勝-ノモンハン事件とマレー作戦、歴史は単眼では語れない(2019年9月24日)
⇒ https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57692

ノモンハン事件で無謀な作戦を実質的に主導したのは、関東軍参謀(当時は陸軍少佐)の辻政信(1902~1968年)であった。 

現在でも「悪魔」というネガティブなイメージがつきまとっているが、参謀として立案し指導した作戦が、すべて悲惨な結果に終わっているわけではない。日本側が圧勝した作戦もある。「作戦の神様」というニックネームが生まれたのはそのためだ。 


(辻政信の著書『シンガポール-運命の転機』(1952年)の表紙)


太平洋戦争の緒戦で大英帝国と戦った「マレー攻略作戦」と、その直後の「シンガポール攻略作戦」では、文字通り圧勝しているのである。 


(辻政信の著書の英語版『日本にとっての最高の勝利は、英国にとっての最悪の敗北』)


「マレー作戦」(マレー攻略作戦とシンガポール攻略作戦の両方を含む)の圧勝をもたらした作戦の策定にあたった陸軍参謀の辻政信について取り上げ、歴史的事象の評価と、それにかかわった人物の評価の難しさについて考えてみたい。 

歴史も人物も多面的かつ複眼的な評価が必要なのだ。

つづきは本文で https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57692







<ブログ内関連記事>


JBPressの連載コラム第60回は、「悲壮な肉弾戦で惨敗、「ノモンハン事件」の教訓とは-日本を破滅に導いた国境紛争、連続した世界を生きている私たち」(2019年9月10日)

本の紹介 『潜行三千里』(辻 政信、毎日新聞社、1950)-インドシナに関心のある人の必読書

書評 『同盟国タイと駐屯日本軍-「大東亜戦争」期の知られざる国際関係-』(吉川利治、雄山閣、2010)-密接な日タイ関係の原点は「大東亜戦争」期にある

書評 『五色の虹-満洲建国大学卒業生たちの戦後-』(三浦英之、集英社文庫、2017 単行本初版 2014)-わずか8年の歴史しかなかった「満洲建国大学」という実験とその後

書評 『マンガ 最終戦争論-石原莞爾と宮沢賢治-』 (江川達也、PHPコミックス、2012)-元数学教師のマンガ家が描く二人の日蓮主義者の東北人を主人公にした日本近代史

(2019年9月29日 情報追加)


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2019年9月10日火曜日

JBPressの連載コラム第60回は、「悲壮な肉弾戦で惨敗、「ノモンハン事件」の教訓とは-日本を破滅に導いた国境紛争、連続した世界を生きている私たち」(2019年9月10日)

(戦場まで徒歩で移動する関東軍の歩兵たち Wikipediaより)


JBPressの連載コラム第60回は、悲壮な肉弾戦で惨敗、「ノモンハン事件」の教訓とは-日本を破滅に導いた国境紛争、連続した世界を生きている私たち(2019年9月10日)
⇒ https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57544

今年2019年は、「ノモンハン事件」から80年にあたる。 

「ノモンハン事件」は、1939(昭和14)年5月11日に始まり、同年の9月16日に停戦交渉が成立し終結した、国境線をめぐる日ソ間の軍事衝突である。国境付近の大草原を舞台にした3次にわたる激戦で、双方ともに1万人の戦死者、2万人以上の負傷者を出している。「事件」というよりも、実質的に「戦争」であった。

反面教師としてのノモンハン事件は、現代に生きる日本人にとっても、いまだ教訓に充ち満ちた教材である。

以下の小項目に従って、ノモンハン事件について考えてみよう。


(『ノモンハン』(辻政信、毎日新聞社、1950)の表紙カバー 筆者撮影)


●朝鮮戦争との類似点
●第2次世界大戦の引き金に
●帝国陸軍が喫した「初の敗戦」
●「工業力」に大きな差があったソ連と日本
●反省すれど、教訓は活かされず
●国境紛争は全面戦争につながりやすい


(『鉄か肉か-ノモンハン秘史』(山中峯太郎、誠文堂新光社、1940)の表紙カバー 筆者撮影)


「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というのはドイツ帝国の宰相ビスマルクの至言だが、ノモンハン事件は「先の大戦」にも劣らず、今後も繰り返し、繰り返し振り返り、細部にわたって検討を行うべき失敗事例なのである。


(映画『戦争と人間 完結編』(1973年、日活)はノモンハン戦争のシーンで終わる)





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JBPress連載コラム第46回目は、「知られざる戦争「シベリア出兵」の凄惨な真実 「失敗の本質」の原点がそこにある」(2019年2月26日)


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書評 『五色の虹-満洲建国大学卒業生たちの戦後-』(三浦英之、集英社文庫、2017 単行本初版 2014)-わずか8年の歴史しかなかった「満洲建国大学」という実験とその後


『単一民族神話の起源-「日本人」の自画像の系譜-』(小熊英二、新曜社、1995)は、「偏狭なナショナリズム」が勢いを増しつつあるこんな時代だからこそ読むべき本だ


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